99 islands musical
【海のサーカス団】

3月22日 18:30〜 の回を見てワイワイしました「キンダー佐世保ワイワイ会」の模様も御覧ください。

海のサーカス団の感想  

長崎県知事 金子 原次郎
     (メルマガ長崎県 バックナンバー  2003年4月2日)

 もう1つ、とてもたのしめたのが、佐世保市制100周年記念ファイナルイベント、ミュージカル「海のサーカス団」です。3月22日の夜の公演に、家内と娘と一緒にいってきました。
 このミュージカルは、脚本が長崎出身の市川森一、テーマ音楽がさだまさしさん、主演も長崎出身で元宝塚歌劇団花組トップの安寿ミラさんと、我々にとっては、とても嬉しく、頼もしい顔揃えです。そして、出演者は佐世保市民を中心に募集した160名の一般の方々です。
 その内、121名は小中学生だったそうですが、一般の方が、たった2年近くの間に、こんなに素晴らしいミュージカルを演じる事ができるのかと、指導された皆さん、そして出演者の努力に大変感動するとともに、ねぎらいの気持でいっぱいです。
 特に、アゴ(飛魚)役の小学校3年生の女の子の演技は、踊りには目を見張るものがありました。途中観客席に降りてきて踊る際には、私の席の前に来て、私と目を合わせて踊ってくれましたが、とても愛らしく思わず微笑んでしまいました。彼女は、スタッフの方からもその素質、将来性を期待されているそうです。今回の出演者の中から、第2、第3の安寿ミラさんが誕生してくれればいいなと楽しみにしています。
 ミュージカルの内容は、九十九島を舞台に,親子の絆、家族の愛を題材に、心温まるもので、音楽、踊り、衣装、照明も素晴らしく、観客の皆さんもとても楽しめ、最後は拍手が鳴り止まないほどの感動を与えてくれました。
 中には、多分出演者の子供達のお母さんや、おばあちゃんでしょうか、こどもさんやお孫さんの、これまでの辛いこともあったレッスンの日々や、立派に役を演じたことに、感極まり涙を流して喜んでおられる方々も見受けられ、私達家族もとても胸を打たれました。
 私は、スタッフは日本を代表する皆さんとはいえ、この佐世保で、市民が一丸となってこれほどのものができるのかと、自慢する気持ちで嬉しく思えました。地方でも、みんなの頑張りでやればできるんだという、自信と希望を我々にも与えてくれたことに感謝したいと思います。
 また、今回の企画がこれだけで終るのではなく、ここに至る皆さんの努力と、立派な成果が、地域にしっかりと根付いたものとなり、地域文化の発展につなげて欲しいと強く期待しています。
 この点、今回の脚本を担当された市川森一さんには、以前から長崎の地域文化に大変お力添えをいただいています。本業の脚本では、長崎を舞台とする数々の映画やテレビドラマを毎年のように、制作いただいています。また、私の知事就任直後には、長崎県政策創造会議「諏訪の森部会」の委員長を御願いし、平成17年度に開館を目指す、新しい美術館や歴史文化博物館の基本的な考え方を示していただきました。さらには、「ながさき阿蘭陀年」記念事業でも総合プロデューサーを勤めていただきました。
 わたしも、市川さんやさださんといった長崎の力強い応援団のご協力をいただきながら、県民の皆さんが自慢でき、訪れる方々が羨ましがるような地域文化を育ててまいりたいと考えています。
  

海のサーカス団

佐世保市 子育てサークル「まんま」代表 徳勝宏子

 先月二十三日、佐世保市制百周年記念のファイナルイベントとしてアルカスSASEBOで行なわれた市民参加型創作ミュージカル「海のサーカス団」を家族で見に行った。
 元宝塚のトップスター・安寿ミラさんを迎え、脚本が市川森一さん、テーマ音楽がさだまさしさんという本県出身の豪華な顔ぶれだが、主役は佐世保の子供たち。オーディションで選ばれた約二百人の中には知り合いもいて、「練習が大変」「子供たちがとにかく頑張るのよ」といろんなうわさを聞いていた。その成果を楽しみに出かけたのである。
 作品は、九十九島を舞台に親子の絆を画いた冒険ファンタジー。母親を亡くした少女が海で生きるさまざまな生きものたちとの出会いを通して、生きる力を取り戻していく、そんな物語だ。
 最初は主人公の少女のモノローグから始まるのだが、演じる中学生は大ホールの雰囲気にも動じずすがすがしい演技。続いて父親役の男性のちょっとユーモラスで、あったかな歌声から場面がどんどん展開し、九十九島の生きものにふんした役者さんたちが次々と出てきて軽やかに歌い踊りだすころにはすっかり物語に吸い込まれていった。
 出演者は六歳から六十歳まで。歌や踊りは好きでもズブの素人ばかり。一年半、主に週末に行なわれた練習には、東京からも一流の演劇人が指導に訪れ、厳しい練習が続いたという。演じる方も大変なら、けいこ場までの送り迎えから精神的なケアまで、支える家族やスタッフのご苦労も大きかったと聞く。中には小さいお子さんを夫に預けながら頑張ったお母さん役者もいて、そこにはまたもう一つの家族のドラマがあたのだと思う。
 異なる学校、違う世代の人たちとの出会い、ホンモノの演技に触れた経験、多くの人たちの力を重ねてひとつのことを創り上げる面白さ……舞台に上がった子供たちには宝物のような時間だったろうが、見ている私たちも何かしら勇気づけられた不思議なお芝居だった。「子供たちの顔がキラキラ輝いててさ、こっちがウルウルしちゃった」。友人の言葉に私も大きくうなずいた。
 四月、佐世保の街は百一年目のスタートを切った。次代の主人公である子供たちに、私たちはどんな舞台を用意してあげられるのだろう。


海のサーカス団
オフィシャルホームページ

演出 原田一樹
演出助手 瀬田ひろ美・白沢靖子
ワークショップ指導 古木杏子・小林元香・平野雄一郎

脚本 市川森一
音楽 甲斐正人
振付 名倉加代子
美術 朝倉摂・松野潤
衣裳 中本友子
照明 室伏生大
音響 松木哲志
舞台監督 北条孝

芸術総監督 朝倉摂

特別出演 安寿ミラ
     
出演 
永江義一[いわお(53)] 
山下昭彦[アーキ] 
森 美紀[Mi] 
( []内は、KINDER版に来てくれる時のHNです。)
 他、佐世保市民200名


2003.3.22(土)
    23(日)
両日ともに 
昼の部 12:00開場 13:00開演
夜の部 17:30開場 18:30開演
※各回ともに開演50分前から
 アルカス野外広場にて
 宣伝隊(出演者)による
 パフォーマンスもあります。

場所 アルカスSASEBO大ホール

料金 S席全席指定 4,000円
   A席全席指定 3,000円
    3階自由席 1,000円

実行委員会 0956-25-0001
KTNソサイエティ 095-827-3400

海は私達のふるさと、生命の遠い思い出
美しき天然の海、美しき天然の島々から
今、新たな物語が始まる

黄昏の浜辺。中学生の少女、浜田渚は、夢を探して海岸へやってきた。
心配した父親の岩男も一人娘の渚を探して九十九島の浜辺へ。
そこで魔法を使うヤドカリと出会った岩男は、純粋な心をもった子供だけに
公演する海のサーカスの話を耳にする。
少年に変身した岩男は潜水艇で海にもぐった。
そこで知らされた衝撃的な事実とは……?

親子の絆とは? 家庭の果たす役割とは? あなたの夢は?
九十九島の海を舞台に繰り広げられる、愛と感動、冒険の物語
光と影、ダイナミックな踊りと歌でつづるオリジナルミュージカル

佐世保市制百年(飛躍年)記念事業のフィナーレを飾る、海からの贈り物