青春ドラマ-運命の奇跡
-「平和の礎」より-

お客様からの感想

木漏れ日抄 27 見えない「現実」へ 山本洋三氏
森下高志・一人芝居『青春ドラマ-運命の奇跡』を見る
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一人芝居を見て、抑留体験が実感としてよく伝わってきた。(50代・女性)


また一人芝居を企画して下さい。(50代・女性)


新宿・平和祈念展示資料館にて、劇団キンダースペースの森下高志さんの1人芝居「青春ドラマ-運命の奇跡」を観て来ました。シベリア抑留を生き抜いた兵士の物語。極寒のシベリア・・森下さんの口から白い息が見えました。40分という短い時間の中に凝縮された人間の誇りと尊厳。お見事でした。

実は親戚にシベリア帰りの叔父がいて、その記録を本にした人がいるんです。僕はまだ未読なのですが、このお芝居を観て読んでみたいと思うようになりました。たぶん親父が持っているでしょう。
この企画は「子供たちに伝えたい戦争のこと」というイベントの一環で、僕も子供に見せようと思い随分誘ったのですが、夏休みは誘惑がいっぱいらしく断られました(^_^;)
お客さんも殆どが大人でしたねぇ・・・たった1人の人間の手記からでも戦争の惨さがこんなにも溢れています。戦争を知らない僕らの世代が、次の世代である子供たちに戦争のことを伝える事は本当に大変なことですが、先ずは親である僕たちがこういう体験に触れることが大切だと思いました。


お芝居、とても良かったです。
目の前に立ちはだかる困難に
ただ戸惑うだけではない、ワカツキ氏のパワフルな乗り越え方も新鮮でしたし、
それを強がりや虚勢とは観客に思わせない森下くんの表現もとても良かったと思います。
瀬田さんのお芝居の時も感じましたが
観客に自由に想像させてくれる
押し引きのバランスが素晴らしいと感じました。
いろいろ考える機会をいただき、ありがとうございました。


母方の祖父が、シベリアに抑留されていた、と聞いたことがありました。
その祖父も幼い頃に亡くなり、記憶にあるのはトラックの荷台に載せてもらったことくらい。
今回、改めて祖父のことを考え、祖父と重ねながら、観ていました。
新宿。
タクシーに乗り、住友三角ビル。
工事中でいつもと違う出口。どこだろう…矢印に向かって走る。
高速エレベーターで47階、平和祈念展示資料館、特設舞台へ。

奥行2メートル弱、間口4メートル程の舞台上には黒い箱が3つ。
日常。
客席はパイプ椅子、床面に並べただけで段差もない。
見回す。2017年の、日常。

森下氏、中央花道から登場。
空気が、変わる。気づかないくらい少しずつ。呼吸に入ってくる。徐々に。頭の中に。

戦争が終わった後の抑留体験。
酷い目に会う中を仲間と共に生き抜くためにどうしたか、抑留先での人の優しさ、思考停止とも思えるほどの希望、故郷への強い気持ち。そして帰国。

その間、40分程。
体感時間、数年間。抑留されてから帰国するまで。追体験。VRなんか要らない。

戦争体験と言うとその残酷さを過剰に悲劇的に、"私はこんなに大変な思いをした。後世の人にこんな辛い思いさせたくないしさせちゃいけない"とシェークスピアのように語る、それが最善で無二と思ってしまっていた自分を見つける。

…見やすかった。考えた。決して遠くなく、重ならず、感じられた。

30人程しか観ていない、非常に贅沢な体験が出来ました。もっと多くの人が見て、色んなことを感じてほしい。(31歳 接客業)

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