キンダースペース演劇ワークショップ2023

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  コロナが収束を見せ始める一方で、ロシアとウクライナの紛争は長期化し、これは既に第三次世界大戦であると分析する学者もいます。今年の初頭には「新たな戦前の始まり」が喧伝され、身の回りを見れば、相手は誰でも良かったという犯罪のための犯罪や、違法行為に安易に手を染める年齢層は広がり、SNSは憎悪、恐怖、不安をあおることでクリックの数を増やし続けます。アメリカのポピュリズムは世界に伝搬し、いくつかの先進国での調査では大多数の子の親が、自分たちの子供の世代は今よりも貧しくなるだろうと考えています。いったい、私たちはどうしてしまったのでしょうか?

 この諸問題を、民主主義の限界、IT独裁、アルゴリズム、富の一極化などに帰することはもちろん可能です。しかしその一方で「演劇」は、文明以前より「人」は変わっていないし、同時に「人」が最も解明していないのはその「人間」そのものなのだと考えてきました。

 「人」にとって「人」は常に未知の存在です。現代の様々な矛盾の一部は「人」を「分かってしまう」ことから派生しているような気もします。

ではなぜ、私たちは自分自身が「人」でありながら「人」を理解できないのか。その答えはあっけないほど単純です。「人」は「人」の理解に「言葉」を用いるから。「理解」とは「言葉」によって説明がつく、という事です。しかし「言葉」は、私たちが作ったものであり、私たち以前に存在していた訳でも、私たち以外の何かから与えられたものでもありません。一つの「物差し」を使って、その「物差し」が正しいかどうかを証明することは不可能です。

 一方「演劇」は「言葉」がいかに不確かで、曖昧で、矛盾に満ちているかを知っています。その一方「言葉にならない感動」の存在も知っています。それが不完全な「言葉」によってもたらされることも。

今年度もモノドラマワークショップを二回開催します。ここで扱うのは近代文学の「言語」です。「テクノロジー」が「人間」を追い越す、そのスタートが近代とすれば、時代への違和感の中で作家たちはどう「文学言語」を紡いだのか、それは私たちにどう響くのか、ともに探っていきたいと思います。

連続ワークショップは、コロナの状況によりリーディング形式となります。その場合でも「言葉」の機能に焦点をあわせ「演技」について探っていきたいと考えています。

 「言葉」は俳優の身体を離れては存在しません。「言葉」それ自体に「感動」=ドラマ、を見つけるのではなく、それが話される瞬間に生まれるドラマを体感していきましょう。



連続ワークショップVol.63「言葉をなくす」

  6月13(火)・14(水)・16(金)・17(土)・20(火)・21(水)・23(金)・24(土) ※劇団の都合で中止となりました。


  新たに、

  8月22日(火)・23日(水)・25日(金)・26日(土)・29日(火)・30日(水)・9月1日(金)・2日(土)

  の日程で参加者を募集します。


 連続ワークショップは毎回のテーマに沿ったいくつかのテキストから、初日の本読みの後、登場人物を選択、

 劇団の担当メンバーとチームを組んで稽古と発表を重ねるものです。テキストはギリシャ劇から現代演劇まで。

 基本的に戯曲の一場面です。「台詞」はただ「言いたいこと」を発語するためのものではありません。

 観客は常に「言葉」では言い尽くせないこと、「言葉」の裏に隠されたことに耳を澄ましています。

 ドラマは「言葉」にではなく「存在」によって紡がれるものだからです。

 ある時には、その「言葉」を失う瞬間が最も強く観客の心を揺さぶります。




モノドラマワークショップ 2023  Ⅰ Ⅱ

   5月19(金)・20(土)・23(火)・24(水)・26(金)・27(土)・30(火)・31(水) ※終了しました。

   

   7月18(火)・19(水)・21(金)・22(土)・25(火)・26(水)・28(金)・29(土) ※定員となりました。


 「モノドラマ」は「一人芝居」ではありません。

 「一人芝居」では俳優は、戯曲によって定められた設定の中で一つの「役」を演じます。

 「モノドラマ」の場合はその設定を、俳優が舞台空間に立ち上げ、登場する何人かの「役」を演じ分けます。

 また「朗読」とも異なるものです。

 「朗読」は「活字」を前提とし「解釈」によってフィクションを立ち上げる、その瞬間を聞かせるものですが、

 「モノドラマ」では「俳優」自身が「活字」となってフィクションを「生きる」ことが求められます。

 「解釈」ではなく「存在」が求められます。


  各回、キンダースペースが現在、地域や学校で行っているワークショップやエクササイズなども紹介し

  進行します。募集は各回ごと。一年、あるいは複数回の舞台経験者が対象です。


  時間/19:00~22:00

  費用/24,000円

  定員/モノドラマワークショップ8名

     連続ワークショップ12名

  


  申し込み方法

 

  post@kinder-space.com 宛

  ●氏名 ●年齢 ●職業・所属 ●住所 ●電話 ●FAX ●メールアドレス

  をお伝えください。※定員になり次第締め切りますのでお早めにお申し込みください。


  ※劇団の事情により日程や条件が変更になる場合、応募者には早めにご連絡いたします。ご了承ください。


  ★ワークショップ2022までのアーカイブはこちらをご覧ください。




新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、引き続き、換気、検温、手指消毒を徹底します。
参加者の皆様にも、必要に応じてマスクの着用、体温測定、手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保にご協力をいただきます。
よろしくお願いいたします。





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