劇団キンダースペース 第43回本公演
小さきものの目線
「野がも」「小さなエイヨルフ」連続上演
原作:ヘンリック・イプセン 翻訳:毛利三彌 上演台本・演出:原田一樹
アンケートより | |
---|---|
●二時間、ノンストップ。皆さん、すばらしい演技!(2/4 野がも) ●「小さなエイヨルフ」とても素敵な作品ですね。こんな大変な時に、みなさんが向き合われたことに感謝します。(2/3 小さなエイヨルフ) ●原田へ。秀逸!(2/4 小さなエイヨルフ) ●最初から終わりまで、舞台には常に緊張感が漂っていたような気がした。私はこの芝居は多分、数年前に文学座アトリエにおいて観たような気がする。しかし改めて、本日の講演を観ていると、全く初めてのように新鮮であった。 内容的には、中々厳しいものである。私がもしエクダルの立場にいたとしたら、どういう行動をとったであろうかと考えていたが、その解答は簡単に見つかりそうもない。それ程、この芝居によって突きつけられるものは重いものがあるということであろう。最後にこの芝居を観るきっかけになったのはエクダル老人を演じた伊藤勉さんを文化座友の会会員として存じ上げているからである。誠に渋い演技力に見入っていた。(2/4 野がも) ●理想の実現のため「野がもを殺せ」とグレーゲルスがヘドヴィクはィクを説得しますが、グレーゲルスはどんな論理で野がもを殺せと言ったと解釈しますか。また子どもであるヘドヴィクは、それをどう理解し、それが自殺にどう変化して行ったと理解していますか? 子どもは理想とか制度とか家族の概念というより、父から愛されなくなったことが大きいのでは……。(2/4 野がも 公演後寄せられたご質問より。演出家・原田一樹よりアフタートークにてお答えいたしました。) |
終演後お寄せいただいた感想より | |
---|---|
●小さきものの目線がテーマの「野がも」、「小さなエイヨルフ」(原作イプセン)の二本立て。 「野がも」は何とも暗く切なく、救いようのない内容の物語でした。 終演後、舞台監督の保さん、劇場の外で原田さんにお目にかかったので、思わず「暗い内容で辛かった」とこぼしてしまいました。 「小さなエイヨルフ」は、それに比べれば内容は明るく、まだ辛さが薄かった気がします。 身体のハンデがある子どもが物語のキーワードになっていたので、その純粋で無垢な言動と大人達の言動の対比がいろいろ考えさせられたのかなぁとも思いました。 今回は、新鋭山崎稚葉さんの可愛らしさが凄かったのと、なんと言っても関戸滉生さんの好演ではないでしょうか。前作の「ママ先生とその夫」の時も凄いなって思ったんですが、今回も凄かったですね。森下高志さんが今回抑えた演技だったので、余計に関戸さんの熱演が光りました。(2/4 野がも・小さなエイヨルフ 福井誠様) ●先日劇団キンダースペース公演の「野がも」(原作:ヘンリック・イプセン、翻訳:毛利三彌、上演台本・演出:原田一樹)を観ました♪ イプセン(1828〜1906)は、ノルウェーの劇作家、詩人、舞台監督。近代演劇の創始者と言われています。日本の新劇運動もイプセン劇「人形の家」から始まったと言われ、演劇のみではなく女性解放運動などにも大きな影響を与えています。今回上演の「野がも」(1884年)は、140年前イプセン56歳の作品。小さな家庭が「家族とはこういうもの、という観念、地域はこうあるべきという理想は、かえって『人』を追い込み、破滅に向かわせる」ー小さな家庭が壊されていく、理想と現実との乖離は大きく、現代の家族崩壊にも通じるところがあるように思いました。それにしても「野鴨」は何を象徴していたのだろうか、と反芻しています。「小さなエイヨルフ」は諸事情で見られず残念でした。(両国・シアターX) スタッフ、出演者のみなさん本当にお疲れ様でした♪(2/4 野がも 日高のぼる様) ●ノルウェーの作家。イプセンの作品。 「小さなエイヨルフ」 人間の光と闇、愛情は、欲であるのか?獣のような欲望。 利己と利他。静けさと興奮。 子供への愛情でさえ、自分のために利用する。 そんなふうに自分の欲望の通りに生きているならば、幸せなのかといえば、 求めても求めても、幸せな気持ちになれない。 本当に様々なものが私たちの中には含まれているのだと思わざるを得ません。 その描き方が辛辣。 何年か前、ノルウェーにしばらく滞在したことがあります。 ベルゲンという、1年のうち400日は雨が降ると言われるくらい雨の降る地域。 お天気も、そこに暮らす人々の気持ちに影響するのだと、そこに住む方が言ってました。 イプセンの書く、この家族、夫婦のお話は、私には、理解し難いものでありますが、もしかして、それは、そういった住む国の気候風土が関わっているのかもしれません。 でも、面白いのだから、不思議です。 友人の看板女優、瀬田ひろ美さんが、今回は不思議な役を演じてます^_^ 瀬田さんが、若いカップルがデートで見るのは、、、と以前書いていたのがよくわかりるストーリーですが、 原作を読んでみたくなりました。(2/3 小さなエイヨルフ 松本泰子様) ●本当に!いつもながら、期待を裏切らない素晴らしい舞台でした。 またしても…白紙なアンケートを出してきてしまいました。すみません…。感無量で帰路についてしまい…(*^^*) 実は、この作品… 子供が登場したことにも感動してしまいました。 〈以前、他所では声だけでした。〉 ちゃんと溶け込んでいて… 素晴らしかったです。 そして、いつもながらの、美術さんの目を見張るお心遣いと…〈とっても細やかで、桟橋へ続くであろう階段?上とかに目を見張りました!〉 そして、個人的には大好きな、 メイドさんや召し使い?が転換をしたりするところが素敵でした。(2/4 小さなエイヨルフ) ●とても面白かったです! とても良い公演だったので、中止は残念です。 機会があれば再演できる事を願っています。(2/3 小さなエイヨルフ 山中誠也様) ●濃密な1時間半…役者さんたちの会話劇にどんどん引き込まれていきました。 最後は希望が見えて良かったです。 榊原さんの素敵な演技を是非ご覧頂きたい。(2/4 小さなエイヨルフ) ●演劇守るためシアターΧへ出動! 劇団キンダースペース「小さなエイヨルフ」へ。 不幸な事件を切っ掛けに、隠れていたすれ違いに気付かされ益々すれ違っていく夫婦だが、吐露し終わった後に共存の道が見えてくる~このコロナ禍もあるある。 不幸がよく似合う女優w榊原奈緒子さんが情けなさ過ぎ夫相手に奮闘(2/3 小さなエイヨルフ)横島亘様 ●本当に素晴らしかったです……百年前のイプセンの本がこんなにも切実に刺さるなんて。 重い部分もある内容ですが、演じる皆さんの凄まじいまでの誠実な仕事の賜物か、人間へのいとおしさを噛みしめ劇場を後にすることが出来ました。(2/4 小さなエイヨルフ) ●本当に本当に素晴らしかったです…!!!観られて良かった! イプセン凄い…100年前にこんなの書いてたの…! でも現在の私たちにここまでしっかり刺さるのは、原田さんの演出と、何より出演の皆さんの力だなと思います…素晴らしかった…!! パンフレットに『三幕の不評』とあったけれど、私は涙があふれて止まらなかった… 榊原さんと森下さんがとことん誠実に役に向き合い血の通った二人を演じてくれたおかげで、どうかこのふたりが救われますように…と祈りのような気持ちになりました。 本当に、素敵でした!! 高山さんも!!素敵でした…(2/3 小さなエイヨルフ) ●今回もバチバチの掛け合いが本当にすごくて、序盤からハラハラしっぱなしでめちゃくちゃ面白かったです。 最初は、いやアルフレッド腹立つ〜って感じで思ってましたが、いやこれ結構現代でもこういう感じになっちゃってる人いるし、自分もそういうすり替えしちゃってないか、身につまされる部分があって。 だからリータにグサグサ核心つかれるターンは、いいぞ!もっと言ったれ!って気持ちと、もうやめたげて…アルフレッドのライフは0よ!って気持ちどっちも出てきて楽しかったです(笑) でも自分はやっぱりリータに共感してしまう部分が多いので2人の掛け合いがどこに辿り着くのか最後までドキドキしながら観てました。 あと印象的だったのはアスタの逃げるって選択は現代の自分の感覚ではマジ正解!なんだけど、原作が書かれた当時の人達にはどの様に受け止められたのだろう。 ちょっと違うけど、前に「死んだ人最強説」って考えた事があって、今回の「死者からの目線」も凄く興味深かった。 償いとか罰とかって、結局生きている人間側の捉え方で変わってきますね。(2/3 小さなエイヨルフ 中山玲奈様) ●鼠ばあさん!! 予習せずに拝見したので、どんな役どころなのかと想像がつきませんでしたが、瀬田さんの鼠ばあさんは、存在感が凄く、カッコ良くて惹き込まれました。 そして、袋の中が動いてるときは、鼠が出てくるのかと、乗り出して見てしまいました笑 メイクや衣装も創りこまれていて、かなり興味深かったです。 『小さなエイヨルフ』は、複雑な感情が入り交じり終始切なかったですが、なかなか考えさせられる面白いお芝居でした。 やはり生の演劇は良いですね。 また素晴らしい作品を楽しみにしています!(2/4 小さなエイヨルフ 大野雅代様) ●瀬田さんの鼠ばあさん。 いつもの華やかで明るいイメージとのギャップが大きくて 幅のある演技にさすが女優さん!と思いました。 他のキャラクターも色々拝見してみたいと、未来の公演を今から楽しみにさせてもらっています。(2/4 小さなエイヨルフ 福田祥子様) |