キンダースペース ワークユニット2001 公演 報告!!


parsleyぱせりのキモチ

    作 斉藤貴司
監修・演出 原田一樹

2002年
3月29日(金)〜31日(日)

キンダースペースアトリエ

計4ステージ

料金:1500円

staff
作 斉藤貴司
監修・演出 原田一樹

照明協力 森田三郎
音響協力 熊野大輔
スチール 桑原正己

照明操作 村信保
音響操作 小林元香
協力 劇団キンダースペース

cast

南條先生

猪俣大介

三上聡子

佐伯美鈴

芹沢太一

音緒杏

坂上朋彦

松下亜紀

増永裕子

斉藤貴司

パンフレットより

演出 原田一樹

 俳優達の自主的な課題の追求と、一年を通じてのエクササイズを主眼とするワークユニットも、早いもので四度目の発表公演を行なうこととになりました。
 今年のメンバーは11月にひとり芝居を行ない、最終発表はメンバ−の一人、斉藤貴司の書き下ろしという、初めての試みです。このワークユニットの特色の一つは、年二回のアトリエ公演の自主的な企画運営であり、このことを通じて、俳優が自分の演技のみではなく、美術・照明・音響といった創作上のさまざまな要素、また企画から制作運営といったことまで、一本の芝居をさまざまな角度から体験することができるということです。俳優は、俳優以外の誰かによって決められた戯曲の世界をなぞったり、只その世界を再現してみせるための素材ではありません。俳優は、画家や詩人、作家と同じように一つの表現の核としてそこにあるべきです。その意識が、結果、俳優として自立する近道であると考えています。
 そうは言っても、一つの公演を成立させるためには、メンバー以外のたくさんの人々のサポートと、主体的な関わりも必要とします。これを知ることもまた、重要な演劇的体験に他なりません。リアリズムにおける演劇とは畢竟、立場や欲望、経験や感性を異にする個人と個人の、密度の高い関係と葛藤の時間なのですから。


作 斉藤貴司

 今回の演目を決める時に、つい、しゃしゃりでて、自分が書きたいと言い、それが通ってしまいました。今思えばあの時は、本当に軽はずみな事を言ってしまったなと思いました。台本はなかなかあがらず、書いてもつまんないものばかり。書き直せば直す程、つまらなくなる。その間、当然役者は何も出来ず。一時はもうダメかと思いましたが、みなんさんのあたたかい励ましに支えられ、やっと書き上げることが出来ました。そして、演出原田氏による大胆な書き直し、役者のみなさんの頑張りによって、とても素晴らしいお芝居が出来上がろうとしています。今、思えば、あの時は、本当に軽はずみな事を言ってよかったなと思っています。


アンケートより

■楽しいお話でした。いい人になりたいな〜と思いました。[会社員]
■テンポの早い芝居で、間のとり方が絶妙で、かなり笑えました。坂上君のこれからの活躍も楽しみにしてます! [保育士]
■どういう展開になるのかワクワクしながら観ていました。現代の「公」に対する批判も交えながら、なかなか面白い風刺でした。 [女性]
■おもしろかったです。来てよかった。久々にこういう劇を観てやっぱりいいなと思いました。「ぱせりのキモチ」って題もかわいいし、最後にあたたかい気持ちになれました。
■若い役者さん達のケレンのない演技に打たれました。作品のテーマも今日的で、とても共感でき楽しめるものでした。 [女性]
■とても良い作品で思わず力が入りました。緊張感に溢れていて、出演者の力がじんじんと伝わって来て、手に汗握る思いでした。今後を楽しみにしています。 [女性]

■[ぱせりのキモチ 掲示板より]
 観てよかったです! 投稿日: 4月 1日(月)22時45分11秒
 わたしもパセリだとずうーっと思ってきました。でもパセリのこともっとたくさん知りました。また泣いた!! 
 お隣に座った縄文人さんに「いや〜、ずぅぅぅっと泣いてるんだよ〜!」と、役者さんにばらされてしまいました。なにしろ、カーテンコールでは顔も上げられないほど泣いてたからなぁ。言われなくても、皆さん解ってたかもしれませんが。
なにしろ、聡子さんが『パセリ』って最初に口にしたとき、既にググっと来てしまってましたから。涙が流れ落ちるのも時間の問題でした。
 大介さんには、本当に笑わせてもらったし、泣かせてもらいました。しかし、演技とは思えない、芝居だったので感激してけさくさんに言ったら、「う〜ん、普段もああいうとこ、あるかなぁ。」いえいえ、あれは演技だったと、私は信じていますよ。
 南條さんの台詞は、本当に一言一言、心にしみました。
 帰りの電車の中、感動を反芻しながら、涙をふき拭きかえりましたが、南條さん以外のキャラクターは、私の中にある、いろんな私のように思えてきました。それは、過去の自分であり、現在の自分であったりするのですけど。いつも目立たなくてダサい自分・自信過剰で余計なコト言ってしまう自分・いつかきっとと信じている自分・どうせ私なんかと思ってる自分・自分の考えを押し通してしまう自分・・・。
 とてもせつなくて、優しい気持ちにさせられて、なんだか勇気がわいてくる、ステキなお芝居でした。
斎藤さん、また書いてくださいね!楽しみにしてます。