■当時私も聞いていたかも知れないドラマに、戦後の日本の状況を重ね、興味深く拝見しました。
初演の舞台、演技も発声も良く納得のいく芝居でした。

日高のぼる様

■舞台の作りとか、出入りとかが工夫され、また一人何役も演じて頑張っていた。
元はラジオドラマだということだが、芝居として成立していた。
ネタばれになるから書けないけど、「鈴の音」を鳴らしているのは誰かというくだり、いい話だなあと思いました。明日まで。
なんかね、改めて、こうして地元で真摯に演劇に取り組む劇団があることを誇りに思った。

栗田かおり様

■演出、出演者共に良かった。“効果音”や“声”だけで物語の世界を伝えるラジオドラマの短編「鳥かごの中」「直子」「鈴の音」で構成され、演技という視覚が加わって容易にイメージできました!そして転換に無駄がない !!
不器用だけど一生懸命生きている人々、戦後の時代背景が伝わり、時折??ラジオから流れる昭和歌謡??が心に沁みました。

石井信生様


■もともとはラジオドラマだったそうだが、私は戦後の平和の鐘が鳴る昭和の変遷を、自分の幼い記憶をも辿りよせ、想起していた。
私は戦後生まれではあるが、話の中には今の世に通じる親子の情や、世間の様々な偏見、戦後の混乱状況など繊細に表現されており、つい今の自分に置き換えて見てしまうと、胸がチクチク痛くもなった。
そして、熱く丁寧に演じられる俳優陣からは、どんな世に生まれても、最終的には自分の人生を凛として生き抜く力を…鈴の音はタイムリーに与えてくれたと、観てる側も推察できるのであった。
不思議な話だが、私もかなり人生に疲れてた時に、皆が聞こえていない、天使の歌みたいな美しい鈴の音を聞いたことがあり、多分、幻聴であったろうが、実際にあり得た話だとも思いました。

山名敏子様

■戦後を背負って生きている人々の姿、というものを強く印象付ける演出でした。その事で作品がひとまとまりになって、心地よい集中を保ったまま最後まで見続け、カーテンコールで感嘆のため息。
良かったです。
ワークユニットは所謂、劇団研究生に近い立ち位置で、自分たちで課題を探究し、取り組みながら劇団員の皆さんの力を借りてともにこの中間発表を作っていきます。
私も11年前にこのワークユニットに所属していました。
自分たちの時代を振り返ると、年々ユニットの公演のレベルが上がっている事に感心するばかりです。フレッシュないいお芝居でした。
そしてそれをサポートする劇団員の皆さんの姿もまた。
あちらこちらに細やかな工夫をされて、心のこもった演出、
観客の心に寄り添うような効果的な音響、照明。
丁寧に作られた舞台面や美術。
役者としてお芝居がわかっているからこその絶妙なバックアップを全力でやっているこの劇団は本当にかっこいい。

松村千絵様

■捕まった! この世界に。 キンダーには、蓄積があるから。織田作、大宰、林芙美子など。モノドラマで、何度も見た。原作がいい。現実をえぐるだけでなく、未来を示す。役者がいい。戦後すぐの人々の顔かたちにぴったり。演出はもちろん。あの最後の空襲を想起させる音と光と所作。ヤラレタ!!!

小林幸雄様

■いつものごとく、近くにいるのに開演ギリギリに走って劇場に。入り口で手を振って待っていてくださるスタッフさん。毎回こんな感じかも。中に入るとまるで、白黒テレビの画面をみているような雰囲気。お芝居を見を終わったあとの拍手の時、思わず立ち上がって拍手をしてしまいそうに。後ろの方にご迷惑がかかるのでやめました???? 。それぞれの登場人物が祖父母、両親に置き換えられ、まるで役者さん達がその時代に生きていた人のように見え 両親や祖父母を思う気持ちが込み上げてきました!そして、その時代を生きた人々はこのラジオドラマ を聞きながら貧しさや空しさ、寂しさといった心を少しだけ ゆたかにして明日へとつないでいったんでしょうね。ところどころ古い小道具が使われじだいをあらわしているようでしたが、俳優さん達の演技や表現はじゅうぶんその時代に生きていた人のようにみえました。

小久保直美様〈二幸〉

■一人一人の役柄が自分と向き合い必死に生きる姿がとても印象的でした。役者の皆さん声にならない声が聴こえる気もしました。場の空気感を皆さんでしっかり作り上げてる感じがステキでした。〈男性〉

■昭和のあの時代の人々の苦悩やささやかな幸せが良く描かれていたと思います。あっという間の時間でした。〈女性〉

■手堅いドラマでした。お笑いを求める劇も多いですが、こういう丁寧に作られた作品も良いですね。確かに昔はこういう隠れた名作がいくつもあったのでしょうね。〈男性〉

■戦後間もないノスタルジックな世界感と、淡く切ない思いを持った人達の生き方がとても心に残りました。〈男性〉。