「生き地獄から戻った私!」
過去の上演時アンケートより。

満州からの引揚げのお話。小道具は椅子3脚とリュック、音響効果はあれど照明は蛍光灯つけっぱなし、そして役者1人。
もちろん演劇用の脚本などはなく、体験者の手記を立体的に起こして演じる。
30分間、予期せぬソ連軍の侵攻から幼子3人を連れて逃げる母の苦しみと、当時の周囲の人々の状況が目の前に浮かびました。

貴重な体験者である語り部、それを見事に演じきっておられた。
蛍光灯の下で、かろうじて用意されたのは最小限のS.Eと三脚の椅子、そして、リュック。
にもかかわらず、朗読会とは違う魅力説得力があったのは瀬田さんの演出力演技力。
舞台演出には縁が無かった身として、モノドラマへの興味が優先していたのですが、
なにしろ、お話に引き込まれ、その壮絶な体験に涙がこぼれそうでした。

異国の地に希望をみつけ 出かけたはずが 戦争によってソ連兵が襲ってくる・・・
幼き子をかかえて 逃げ惑う 母親の姿に 胸が痛みました
その母親役を 劇団キンダースペースの女優瀬田ひろ美さんが 熱演し観る者の心をゆさぶり 心を打ちます
私も子を持つ母です
子育ては大変ですが こどもを育てることのできる時代に感謝して生きていきたいと思いました
他の方にも ぜひ 観ていただきたいです 若い人にもぜひ 戦争の悲惨さを知ってもらいたいです
今回 若い方もけっこう 来ていて 戦争のことを 知ってもらえて いい機会だと思いました

たった椅子3脚とリュックだけで、その当時の状況が目に浮かびました。

感動いたしました!苗村氏への救いを求めて思わず涙ぐみました。白色蛍光灯の下、前説明からいきなり振られ始まるという状況にもかかわらず一瞬にして空間が世界が戦時へ変わる! 握った手は汗だくでありました。

子持ちには辛い‥‥お話でした。涙腺が‥‥(笑)
芝居をやるにはあまりにも過酷な条件下で、子どもを含めたお客さん全員が最後まで魅入っておりました。
集中を切らせない台本、アイデア、芝居力、感服いたしました。
とても面白かったです!

モノドラマ、とっても良かったです。
感傷が前面に出てくるのではなく、ただ生きようと立ち向かう苗村さんの、戦争体験者の姿がそこに見えて。あとはどう感じるかはそれぞれの胸の中に委ねてもらえたことで、より強い説得力を持って伝わってきたように感じました。
私はこういう「想像させてもらえる」演劇がすごく好きです。もっともっとたくさんの人に見てもらいたい。蛍光灯の会場で、えっ、ここで演じるの?と驚きましたが。なんの。目が勝手にぎゅーっと演じ手に、命の果てたわが子に、カメラのレンズを絞るように、フォーカスされていくんですね。もちろん明りの演出された会場で、よりドラマが際立つのは承知の上ですが。
この環境でこれだけの観客の集中を集めていたことへの驚きがありました。
戦争のこと、生きていくこと。いろいろ、自分の意識を明確にしていくことができとてもいい時間でした。

主人公が明るく逞しく前向きに語るからこそ、共にその恐怖や悲しみを体験しているような感覚になりました。
満州から引き揚げた主人公の体験は、私にとっても他人事とは思えません。
私の母は大連の生まれで、祖母は満州から母を連れて引き揚げた一人です。
後一歩引き揚げが遅かったら、祖母は主人公のような苦労をしたり、母が残留孤児になった可能性もありました。
祖父はロシアで捕虜になり木こりをさせられました。
祖母はもう当時の事は思い出したくないかもしれませんが、元気なうちに詳しい体験を聞いておかなければならないと思いました。


いかに自分たちが恵まれた時代に生まれてきたのか、その幸せを痛感しました。
先日の広島原爆が投下された日の番組特集で、この体験を語り継いでいく人がもういない、という話を現地の語りの会の方がお話されていた事を思い出しました。
こういったイベントってとても大切だと思うし、もっと沢山の人に観て、聞いてもらいたいなと強く思いました!

お疲れ様でした。これからも引き続きやってってくださいね。うちの父親はシベリア帰りでした。
夏にこういう公演を見る機会は多いですが、やはりやっていくべきものだよな、と思います。

私の祖父は、終戦時、陸軍書記官として満州にいました。父は満州生まれ。その後、引き揚げで博多にたどり着いたそうです。
若い頃、そんな時代を残せたらなんて芝居をかじりましたが、身体を壊す方が先でした。だから、凄く、観たかったのです。


お話を聞いていて、あの当時は本当に辛い出来事の連続だなぁ、せっかく、幸せになれると思って渡った先でひと時の幸せを手にしたと思ったら何故か命を狙われる。ようやく命からがら日本に帰れると思ったらお腹を痛めて産んだ3人の子どもは死んでしまうなど、本当になんの為に嫁ぎにいったのだろう?と呆然となってしまいました。
公演後に展示コーナーも見たかったので見に行きました。
??でも公演あとなのでなんか落ち着いて見られませんでした。どうやら自分で思ってるよりも、話の内容に衝撃を受けていたようです。
そんな中展示を見ていたらシベリアに連れて行かれた人の絵画があり、今度は祖父の事を思い出してまた落ち着かなくなりました。
実は祖父がやはりシベリアに連れて行かれて、そこから生きて帰ってきてくれたのですが、私はその話を祖父が亡くなってから知ったんです。祖父から直接戦争の話は聞いたことがなかったので、間接的とはいえ、祖父の軌跡を知れたことに喜びと、味わった苦痛などを思うと涙が出そうでした。
生前、そんな話を全く出さなかったので、戦時中の話はしたくなかったのかな?と思います。
もしも今も健在だったら色々な話を聞きたかったなぁ、と思いました。



夢を描いて 満州へ行き 最初のシーンは 本当にのどかで 瀬田さんの語りで 本当に幸せな気分でした
それが ある時 ソ連兵が やって来て 逃げなくてはならなくなった
まだまだ 小さい子どもを抱えて 逃げる お母さんはどんな 気持ちだったでしょう
この 満州で暮らし 戦争に巻き込まれた 一人の女性を瀬田さんは見事に演じていました
小学生の低学年位の女の子も集中して聞いていました
現代に生きる私たちは どうしても こういうことが あったと 言うことを 忘れてしまいます。
こういう 語り継ぐと言うことは とても大切なことだと 思います

昨年も拝見しているので結末はわかっているはずなのに、
「どうかもう彼女が辛い目に遇いませんように」と願ってしまうし
いつの間にか語り手の経験が自分の経験の一部になった気がして身につまされたり。
真夏のとても暑い日に
肌に染み込んでくるような余韻の残る、いい時間でした。
世の中に戦争の存在していた事実を改めて認識する上でも、非常に貴重な体験だったと思います。


30分程の芝居でしたが、満州吉林でホテルを経営していた私の祖母や叔母達が、どんなに辛い思いをして本土を目指したか、私の心に突き刺さって来ました。
今の日本の平和を祖母達が作ってくれたことを思うと、私は孫の世代に平和を守る意味を伝えなければと、心から思いました。

私たち演劇人がやらねばならない仕事の一つに戦争の残酷さや平和への願いを語り継ぐ使命があると思う。
瀬田さんの芝居は大袈裟な演技ではなく客観的な眼で主人公の体験を語りかけて行く。
悲惨な場面を絶叫するのではなく言葉として切々と語りかけることにベテランの味がありリアルがある。