けさくの感激覚え書き その伍(2007)

月と語りとアンサンブル
12/15 劇団大樹
スタジオアキラ

何故かこの日は「語り」デー。夜も川野誠一さんが主宰する大樹の公演に伺いました。年に一度の公演を見続けて何年になるかなあ。今回は語りとハープとパフォーマンスで、大樹らしいかわいらしい作品に仕上がっていました。しかしここの女優さんはみんな綺麗で達者だなあ。川野君、しかっかりセレクトしているなあ。(笑)

語り女たち
12/15 じゃこの会
北池袋・新生館シアター

栗田かおりさんが出演。じゃこの会の公演自体久しぶりのようで、私も久しぶりに拝見というか拝聴しました。後援会の市原さんも出演なさっていて、いつもは観ていただく立場の方の語りやお芝居を観るのは不思議な感覚でした。市原さんはとても個性的で作品の捉え方がユニークで面白かったです。かおりさんは流石に滑舌が良く、言葉がきちんとこちらに伝わってきました。ちょっと恐ろしい女の情念みたいなものが軽い語り口と一緒に届きました。長年週に一回集まって続けていくって大変なことだと思うけど、これからも頑張ってください。

関節炎 相寄る魂
12/6 テアトル・エコーSIDE B公演
エコー稽古場特設舞台

ワークショップに参加してくれた平野智子さんが演出。ギイ・フォワシィコンクールでの最優秀作品。ギイ・フォワシィシアター以外の氏の作品を観るのは初めて。エコーの稽古場をレストランのような様式に改造して素敵な舞台でしたが、客席によって少し見えにくかったのが残念!! 久々に落合弘治さんのお芝居を拝見。相変わらず芸達者。後藤敦さんも面白かった。

どツボッ!!
12/4 projectDREAMER
六本木・COPSTIC CAFE&BAR

串山麻衣ちゃんのご案内で、六本木の素敵なお店で、お酒を飲みながら、一片のピザを食べながら、軽いタッチのお芝居を観て参りました。

クローデル!
川口のジャンヌ・ダルク
12/1 モルタル劇場

KAWAGUCHI ART FACTORY SPACE 4

村信が関わっている団体。元鋳物工場跡をそのまま利用したセットが面白かった。主役の女性と外国人狂言師、そして若い人たちの声によるパフォーマンスが良かった。


花がたみ

11/27 蘭このみ舞踊公演
ル テアトル銀座


素晴らしかったです。
数年前に「桜幻想」で芸術祭賞をいただいた蘭さんの、2年ぶりの公演です。
今回も原田演出、白沢靖子が演出助手につかせていただきました。
作品としても、とても洗練されていて、二部の市川段治郎さんとの「花がたみ」も勿論素晴らしかったですが、一部の踊りも楽しく観ました。
もっと宣伝すればよかったなあ……と観ながら思いましたが、おかげさまで満席でございました。
有り難うございました。

・「ねじ式」式予告編

・怪談〈東京戦争〉パート2

・まっすぐな道でさみしい

11/23 1and2演劇祭
MAKOTOシアター銀座

坂本大地さんが一人芝居をやると言うので観に行った。面白かった。前のお二人の一人芝居も、このお二方でしか出来ない作品で、二人共ご自分で本をお書きになっているのだが、面白かったなあ。

大地さんのお芝居は山頭火の人生の一片を切り取った物語。すごく良かった。大地さんの良いところが一杯出ていた。モノドラマやるのに、どうしようこうしよう…と悩んでいることに、少しヒントが出来た。ヒントが出来た分、また難しくなったけど、でも観てよかった。
それから、ここんとこ、自分自身が悩んでいる…というか、考えていることを、なんかセリフで言っていただけたような気がして、それが良かったです。

男やもめの
スラム団地
11/23 アリスとパネス・カンパニー
スタジオAR

制作の北川さんのご案内で伺いました。バーナード・ショーの作品を黒川欣映さんが翻訳・演出。キンダーでもお世話になっている鳥居照子さんの衣裳が素敵でした。

ライン
11/20 サスペンデッズ
下北沢OFFOFFシアター

白州本樹さんが旗揚げから出演しているサスペンデッズ公演。円養成所の後輩の方が作った劇団で、私も数年前の旗揚げ公演を「大雨の中、高田馬場の遠い劇場まで観に行って良かった」と書いた覚えがあります。
今回もこの劇団らしい芝居で、かなり今時なハードな内容を笑いでくるむ楽しさと、すぐそこにある部屋の中で行なわれている行為……を覗いている感覚、そして、台本ではなく役者自らが発した言葉なのではないか…?と思うリアルな、しかし計算されたセリフの数々、場面展開の早さと面白さで楽しませてもらいました。
女としてとても苦しく切ない体験を、舞台の上の女優さんと一緒に体験してしまったみたいで、そんな「良い意味の」後味の悪さもありました。
役者さんも上手ですね。
作・演出の早船さんは、新国立劇場に書き下ろしが決まったそうです。おめでとうございます。

ワンダフルワールド
11/17 劇団N十周年記念公演
能登演劇堂

10年……。初年度はスタッフやりながら出演させてもらい、2年目からは完全に観客としてしか参加していませんが、毎年観続けて10年。
今年は特に感慨深い芝居でした。
今回は、
チェーホフ 「結婚申し込み」、O・ヘンリー「善女のパン」、ヘルマン・ヘッセ「アウグスツス」より脚本を作成。語り手がそれを結ぶ舞台でした。芝居の難度は高い。よくこういうものに挑戦したと思ったし、新人さんが一挙に増えていて、舞台に深みが出ていました。
石原さんのセット、篠木さんの照明もとても素敵で、作業はかなり大変だったようですが、とても効果的でした。
終演後の酒井先生の挨拶に、感慨ひとしお。
町民劇団が10年続くこと自体……決して簡単なことではないのですよね。
大変だからこそ、良いものが出来る。
劇場に着いた時、舞台に掃除機をかける井田さん、必死にセリフの確認をする黒ちゃん、最後まで小道具チェックをしている山本さん、緊張を和らげようとおどけて笑う仁介さん、出番前青ざめながらもお客様に挨拶をする酒井先生。旗揚げメンバーの姿をずっと追いかけていました。
さらに20年を目指していただきたいです。お疲れさまでした。

かぐやのものがたり
11/16 南洋神楽プロジェクト2007
ザムザ阿佐ヶ谷

和田啓さん、松本泰子さん、小谷野哲郎さんのプロジェクト「ポタラカ」は、音楽とバリ舞踊の融合。そこに芝居の井上倫宏さん、影絵やケチャも入り、盛りだくさん、要素がつまりに詰まった舞台。舞台セットが素敵で、松本さんの声はやはり天使の様でした。
演技エリアの狭さが、役者やダンサーは大変だけど、観客の集中力は増すものだと思いました。満員御礼で影絵が今ひとつきちんと見えない位置だったのが残念。

オルフェーオ
11/15 モンテヴェルデイ歌劇
北とぴあさくらホール

オペラを観るなんて、めったに無いこと。今回のオペラは400年前から上演されている演目を能とジョイントさせた演出で見せていました。動きを抑えているのかどうなのか、他のオペラをあまり知らないのでわからないのですが、一人を除き全員日本人キャストだったので、違和感はありませんでした。ハイソな気分で観劇。

オセロー
11/9 明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン
明治大学文化プロジェクト

キンダーの保が舞台監督をつとめさせていただいている明治大学文化プロジェクト公演【オセロー】を観てきました。
すごく良かったです。
学生の芝居ではありますが、男優にプロと見紛う人も居て、色々問題点は勿論ありますが、3時間10分という長い間客席と舞台が一体感を持っている芝居でした。
装置も衣装も、お金も手間もかかっていて、「大学」という団体で芝居が出来る恵まれた部分と、だからこそ大変な部分が、こちらにも伝わってきました。
男優が良かったなあ。
無料公演と思えない豪華さでした。

横須賀夢幻翔
坂本龍馬の妻・おりょう追想記
11/8 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
横須賀市制100周年記念市民主催事業

知り合いの原武彦さんが脚本を書いてご案内をいただいたので行って参りました。お芝居は1時間20分でしたが、往復で4時間かかりました。(笑)
演出家が、これまたお知り合いの狭間鉄さんでした。川上麻衣子さん主演。

瞽女さ、きてくんない

11/5 シアター1010
文化座

文化座の、これもあたり狂言(というのかな?)、鈴木光枝さんの時代から形とタイトルを変えて上演を続けてきた作品。ひとまず、これで終わりになるそうです。文化座のお芝居は佐々木愛さん以外の女優さんがクローズアップされることが少ない気がするのですが、これは女優の芝居でした。文化座さんの稽古場をお借りすると必ず一階から三味線の音が聞こえてくるのですが、瞽女さんたちの三味線見事でした。拍手!!

ヘアスプレー
10/21 川口アリオ MOVIX
映画

初めて行ったアリオのMOVIX。時間前に行ったら誰もいなくて客一人かと思ったよ。上演時間になったらぞろぞろ入ってきた。
映画は……うーん。
まあ、踊りはすごかったけど、でもなんでみんなこんなに顔で芝居するんだ?
トラボルタが良いと評判だったんだが……臭くない??
クリストファー・ウォーケンは顔と髪型が変だ。
しかし人種差別に立ち向かおうとする場面で涙が出た。なんでなんでも泣いてしまうんだ?!?!ワタシは?!?!
主役の女の子が1000人から選ばれた18歳だって。私のタップの先生に似ている!(笑)

歌声でめぐる
世界の旅

10/20 たまプラーザイッツ・コミュニケーションズスタジオ
「AngelVoice」

【青葉の街・土曜コンサート】清水由香さん率いる「AngelVoice」公演。
白沢靖子がピアノ伴奏。

桜散る、
散るも つもるも
三春乃一座
10/14 杉並公会堂小ホール
劇団だるま座

演出家、女優の岡田和子先生(先生といつもお呼びしているので…)のご案内で行ってきました。
作・篠原久美子 演出・剣持直明。

ちらしの裏の古今亭志ん彌さんの文章を読んで、行ってみようと思ったのですが、いやあ〜〜〜、面白かったなあ。つうか、好きなタイプの芝居なんだなあ。キンダーでは多分やらない(やれない?)タイプの芝居でしょうが……。
実は仕事で15分遅れて行って、座った時には客席が笑いのるつぼ。こういうのって自分反発感じる方なので、その時点で心離れて行くのが常なのですが、今日はあれよあれよという間にその芝居に巻き込まれ、涙と笑いの観劇でした。が、泣いている自分が恥ずかしくなくて、だって周りほとんど泣いてるし、私が臆面もなくタオルを出したら隣の人もハンカチ出した。(笑)
戦時中に芝居上演を弾圧される一座と、スタニフラフスキーを持ち出し「国定忠治」におけるリアリズムを追求する演出志望の若者、一座の人たちとたまたま出会う女教師、女学生、一座の一番の得意客。全員が思わぬところで意志一致し、憲兵検閲のない明け方に「リアリズム版国定忠治」を上演しようと計画する、その日の横浜大空襲。
篠原さんの脚本(多分劇団へのアテガキ)、演出・主演の剣持さんの持っている魅力が多くをしめるものでしょうが、いやいや、演出・主演のかけもちの良さで良い芝居作っているの久しぶりに観たなあ。再演を重ねている芝居らしいので、ロビーでお会いした知り合いには「この芝居は良いのよ」とみんなに言われました。明日のマチネまでやってますね。お時間あれば是非。結構主軸の若い人たちがダブルキャストなので、稽古も大変だったと思います。今日観たキャストと明日のマチネは同じキャストみたいです。ただ、音楽もオリジナルなんだけど、せっかく芝居の突き放しが上手く行っているところが多いから、ちょっと「つき」すぎている気もした。素直な感じではありますが。
全体的に、なんつうか………、好きでした。

だるま企画

二人大名

10/9 国立能楽堂

現代狂言


音楽家の和田啓氏が出演。
南原清隆さんを主軸に、お笑いの人たちが、狂言師野村万蔵さん他狂言師とオリジナル戯曲を上演。企画途中で急逝した野村万之丞氏の遺志を継ぐ公演。
和田啓氏、稲葉明徳氏の音楽とても素敵でした。稲葉氏の笛、面白いなあ…。啓さんの太鼓と田中悠美子さんの三味線と共にテーマとなる曲が流され、それがお芝居に流れ込みとけ込んでよかった。
でもやはり思うのは、狂言をコントにするんじゃなく、コントを狂言に近づけるべきだった。お笑いをお金払って観に行く気がない私には、最初の本当の狂言と、啓さんたちの音楽と、島崎俊郎さんの意外に着実なペイ芝居に料金の価値ありと思った。

オーマイゴッド!
9/29 てあとるらぽう
演劇ユニットire Works

スターダス絡みで今月は滅茶芝居を観ていますなあ。今月の締めは、ユニット2007に参加している田中修二が出演のお芝居。こちらもスターダス所属の若手俳優がたくさん出演していました。
ストーリーはオリジナルで、近未来の戦争の話。あり得ない話ではありましたが、嘘くさくならないように言葉の推敲を重ねた感じがして好感が持てました。芝居もリズムがあって、どたばたではありますが稽古を良くしている感じがして面白かったです。田中は主役の悪役をやらせてもらっていました。修二……もう少し太れ。(笑)

Musical
フレンドシップ
約束
9/28  博品館劇場
日中国交正常化35周年記念 骨髄バンクチャリティ

スターダス・21の所属メンバーが以前から関わっていることの多いお芝居でしたが、8年目の今年初めて観ました。スターダス養成所の宮内佑康君が主役の不良少年役で出演しているからです。昨年からミュージカル仕立てになり、今年またリニューアルされたそうです。はっきり言って最初舞台装置を観た時に、「へ?」と思いました。あまりのお金のかけて無さに……(笑)大々的なミュージカルだと思っていたからもっと金にあかせて作っているのかと思っておりました。観て行く内にまた例のごとく、涙ダーッの鼻水ズルズルになってしまいました。反則や!! って感じで泣かしていただきました。大西多摩恵さん、やっぱり好きだったな。あとおじさん二人、小林アトムさんと丹古毋鬼馬二さん(久しぶりに観たなあ)、面白かった。若い人たちの熱気と繊細さ溢れるお芝居の中で、ベテランは力の抜き具合を探っているようなところがありましたが、楽しめました。宮内もがんばってました。坊主頭が似合ってた。

召命
9/27  蒲田演劇工場
劇団昴ザ・サード・ステージLABO公演

三百人劇場が無くなって、昴が蒲田に構えた劇場。以前キンダーの音響スタッフをやってくれていたUちゃんからのご案内で行って参りました。新しい動きがあるところは活気があって良いですね。歩くと蒲田駅から20分くらいあります。遠いと思えば西川口からは遠いですが、駅からは慣れれば気にならないかも。劇場自体はタッパもあり客席の段差も大きく演技エリアも程よく、なかなか良い空間です。
芝居は現在よりもっと荒廃した中学校で、次々に引責自殺する校長の後がまを決めるという話。
こういう題材の選び方は、昴的といえばそうかもしれない。
私はもっと違う芝居を観たい。だったら「アルジャーノン」を「マクベス」を「怒りの葡萄」を観に来いと言われるかもしれない。……はい。

椰子の島
9/21  スタジオAR
方の会 市川夏江ひとり語り

原田演出。市川夏江さんの実体験を元に彼女が、自分と母、そしてそれを取り巻く人間を演じる。はっきり言って今まで何度も拝見した市川さんのお芝居の中で一番スキでした。市川さんはとてもリズム感がある。話が面白い。それがご自分の話だから、やっぱり「出所」が明確で一つの言葉に「歴史と実感」がある。自分史は誰でも書けるそうだけど、帰りがけに若い養成所の子に「瀬田さんもこういうの書いてやってくださいよ」と言われ「私のじゃ3分で終わっちゃうよ」と笑ったけど、笑い事じゃない。本当に3分だよ。

エウメニデス
9/19 シアターX
101スピリットinシアターX

シアターXがこの度始めた101スピリットinシアターXの第一弾はギリシャ悲劇。
アテナやアポロンの出てくるギリシャ悲劇は見せ方がとても難しいと思う。今回は観客の一部を陪審員に見立て裁判を行なったが、もう少し議論の部分を明確に観たかった。どうしても役者がやっている行為にばかり目を取られてしまった。
もともと観客がこういう形で参加する芝居に抵抗を感じる私は、陪審員をすすめていただいたが、断った。「
観客なのに芝居をしなきゃならない」ことに抵抗を感じる(笑)。参加型演劇自体に抵抗があるのかもしれない。
パンフレットに日本の衣裳さんがデザインについて演出家とのイメージの違いにかなり悩んでいる……というようなことが正直に書かれていましたが、どこからどこまでが日本の衣裳さんの作品で、どこからどこまでが演出家の希望なのかわかりませんでしたが、ストッキングでくるんだ衣裳は奇抜ではあったけど、日本人の美的感覚には受け入れられない気もした。…

休憩室
9/17 荻窪メガバックスシアター
演劇集団エル◇フレール

ワークユニット2006メンバーの弥吉洋輝が劇団を旗揚げ。

戦渦の桜
9/16 てあとるらぽう
演者

ワークユニット2007メンバーの川村幸弘が出演。

漢盛り(おとこざかり)マクベス

9/9 荻窪メガバックスシアター
イヤヨワークス

ワークユニット2007メンバーの瀧本志優が出演。スターダス・21養成所で瀧本と同期メンバーが作った劇団の第二回公演。

黎明館アパート
8/29 シアター2+1
シアター2+1アトリエ

仲原さんが抜けるとやはり寂しいなあ。

天湖
8/24  下北沢小劇場楽園
松永麻里ひとり芝居

原田演出。稽古から見せてもらっていたから、麻里ちゃんがどんなことをやりたくて、そのことについてどうジレンマを持ち、どう悩んでいるか……私なりに身近で感じていました。稽古中二回通しを観せてもらったけど、やっぱり今日の本番が一番良かった。
ダムの底に沈められてしまった村と、満開のしだれ桜。そして無数の虫や鳥やの小動物や微生物。何より自分の人生に関わったすべてのものを、一瞬で水の底に沈められるのを目の当たりにした主人公の、言葉で尽くせない心に触れた時、涙が出てきました。

サンクチュアリ

8/24 下北沢off offシアター
まるおはな

ヶ前浩一さんが客演している「まるおはな」の公演。精神の病に悩む人たちがよりどころとするデイホームでの話。自分が世の中に受け入れてもらえていないのではないか……と悩む人たちの心の中、現代の人たち全員が感じる感覚かもしれない。自分が疎外感を感じた時の悲しさがよみがえるのかなあ? 若い役者さんの素直な演技に心動かされてしまった。

幽霊はここにいる
8/5 THEATER TOPS
ハイリンド

内田尋子さん、荒井志郎君、出演。

サロンドランディ展
8/5 銀座渋谷画廊

義母が通う東武カルチュアスクールの油絵展。毎年開催しています。
義母の今年の作品は、「窓辺」P20号 「花とオカリナ」F15号
UZUME
6/29 文京シビックセンター
海老原美代子ベリーダンスグループ

原田演出 
和田啓(打楽器・作曲)

朴 根鐘 (チャング、テグム、他)
銭 騰浩 (笙)

少年伝奇製作所
6/21 池袋シアターグリーンBASE THEATER
石神井童貞少年團

マイミクAYAさんのご案内で。

「霧笛」
―共生の彼方へ―
5/17 アトリエセンティオ
A.C.O.A

 那須のアトリエで活動をしている、鈴木 史朗さんのひとり芝居。
 鈴木(忠志)メソッドを習得している人だけあって、独特の身体の動き、肉体の作られ方は流石でした。
 レイ・ブラッドベリの「霧笛」という原作はとても有名らしいのですが、私は知りませんでした。幻想的でスリルがあって面白いお話でした。私がもしモノドラマでやったら、今回とどの点が違うだろうか? どう創るだろうか……と思いながら観ていました。
 しかし史朗さんは、音響も自分でやってましたから、「これは真似出来ない」と思いました。
 久々に御会い出来て嬉しかったです。那須にも必ず観に伺おうと思いました。

薮原検校
5/16 シアターコクーン
シアターコクーン・オンレパートリー2007

 この芝居は高校生の時に観た記憶があります。学校公演や親に連れてってもらう演劇公演を除いて、自分の意志で観た2本目の芝居でした。
 今回田中裕子が演じた「お市」は、その時太地喜和子が演じていました。今回観てはっきり思い出しましたが、ナント濡れ場の多いお芝居なのでしょう。高校生の私は「こりゃあ、帰ってお母さんに何て報告しよう?」とか、当時大好きだった演劇部の先輩と一緒だったので「うわ〜、先輩はどんな顔して観ているんだろう?」とか、そんなことばかり考えていたように思います。
 そして、主題歌(今回は宇崎竜童作曲)。上演中に以前観た時の曲を思い出しました。そうそう、これをずう〜と演劇部でみんなで歌っていたっけ。その内に、唐十郎にハマって、そちらに席巻されるまでは、ずう〜っと歌っていました。今でも1フレーズ歌えることに気付いてしまった私です。

 さて、お芝居は……。
 古田新太さんのお芝居ははじめて観ましたが、皆さんが良いというのが判る気がしました。別段巧い! というわけではないのに存在感がある感じ……なのだと思います。余計なお芝居を一切しない感じ。10分以上しゃべる中幕の狂言は、「ああ、もう少し滑舌が良ければ!!」と(笑)それが惜しかったのですが、まあ、凄かったです。でもそれよりも、しゃべり通しの壌晴彦さんの語りは流石でした。
それから以前太地喜和子の演技に高校生なりに共鳴した私でしたが、田中裕子も凄かったです。
特に、めくらの亭主の前で、主人公の杉の市と濡れ場を演じながら「安寿と厨子王」を語る場面は、可笑しいのと色っぽいのと……、はあ、さすが〜〜と思いました。
 
 高校生の時観たバージョンは(どこのユニットだったか、文学座だったのか?)、ラストの杉の市が頭と足を切り落とされて殺されるシーンで、わざと人形!! とバレバレの頭の大きなハリボテを使って、漫画チックに殺していましたが、今回のは大きさと言いリアルさと言い、本当に古田新太が宙づりにされているのか?? と思うような人形でした。
 ライバルであり親友である縞保乙市(段田安則)が、庶民に影響力のある杉の市の、より効果的な処刑の仕方を問われ、「宙づりにし、まず足を切り落とし、次にバランスを失って前のめりになる頭を切り落とす。処刑の前に蕎麦を腹一杯食べさせる」と言う。その通りに行なわれた処刑で、首からたくさんの真っ赤な紐(蕎麦)が出てくる場面は、気味悪く残酷で、しかし「派手」。型破りな杉の市の最期にふさわしい処刑法であった……というのが、面白かった。これは原作の面白さですね。
 
 お友達が行けなくなって、いただいてしまった高価なチケットですが、ラッキー!!な観劇でした。
 演出 蜷川幸雄

文の屋の女たち
5/9 銀座みゆき館劇場
方の会

演出 原田一樹 方の会25周年記念公演。原田、久しぶりの「方の会」演出でした。

楢山節考
4/25 フィルムセンター
追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄

本日の今村昌平特集は、有名な深沢七郎の「楢山節考」を観て参りました。
辛い話です。
日本のひと昔前は、みんなこんなに貧乏だったんだ。
貧乏だからこそ、掟があって、掟をやぶると、ひどい目に合う。
これは「神々の……」にも共通していたけど、祟りとか信仰とか掟とか……そういうものを信じなければ生きていけない時代の話。

今も必要かも。必要だよ!  
京浜東北線で電話をピロピロ鳴らし、「あ、平気ですよ!」と滑舌良く長々と商談をまとめていた、今どきホリエモンルック意識の兄さん!!  そう! あんただ!!! 少しは掟を重んじろ!!! なにが「平気」なんだ!!!
あたしがヨッパじゃなくて、あんた助かったね!! 

……話を戻しましょう。
この時主役の坂本スミ子は役作りの為、歯を抜いた。歌手にとって、かなり決心が要ったと思う。確かにアップになると坂本スミ子は若い。でも芝居はヨカッタ。
頭から終いまで決して迷わない潔い母で、そのことだけが、この映画の「救い」だった。
緒方拳も若い。かっこいい。清川虹子最高!!

観た人いますか? 聞きたいことがあるんですけど。この映画は以前にも観ましたが、その時には通り過ぎてた。
いよいよ楢山に向かう途中、二人が山の上でひと休みしていると、座っていた母が突然見えなくなる。辺りを探した息子は「……消えただか……」とつぶやいて、その後、木の又にいる鳥を捕まえて飛ばしたりする。妙に清々しい顔で。
でもその一瞬後に、消えたと思った母は、前の通りそこに居て、じろりと息子を見上げる。「早く運べ」というように。
息子はびっくりしたまま、また母をおぶって歩き出す。
このシーンは、何を表現しているの? 
母を連れてきたことを、やはり夢だとでも思いたい……ということなのかな?

最後に悲しい雪が降る。おやまに雪が降れば、置いていかれた老人はそれほど苦しまずに死ねるから。悲しい神様のお恵み。

※続き→ http://plaza.rakuten.co.jp/kesaku/diary/200704250001/

神々の深き欲望
4/21 フィルムセンター
追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄

今月の17日から6月10日まで、国際フィルムセンターで、「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」というのをやっていて、昨日今村監督の「神々の深き欲望」というのを見てきました。

http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2007-04-05/kaisetsu.html

私は以前、今村監督が作った日本映画学校というところで、タップダンスのアシスタント講師をしていたことがあり、その時に何本か今村作品を見たことがありましたが、タイトルが気になっていても、なかなか見る機会が無かったり、DVDで見ても飽きやすい私は集中力に欠けたりするので、やはり大きなスクリーンでこの際、気になったものだけでも見ようかな……と行ってきました。

不思議な映画でしたが、面白かったあ。174分がちっとも長く感じなかったです。
ふた昔前くらいの前近代的な生活を続けるある島に、文明がやってくる……という話なのですが、出演者が、三國連太郎、河原崎長一郎、北村和夫、加藤嘉、小松方正、殿山泰司、嵐寛寿郎……とそうそうたるメンバー。
みんな若いし、芝居もよい。
三國連太郎のごっつくて、しかも純粋な感じがとてもよく出ていて、北村和夫の現代人がどんどん旧習に絡め取られていく様も面白い。河原崎長一郎の中途半端な知識人、アラカンの信仰を絶対とするお爺さんなど、存在感が前に出る。

痴呆の女(トリ子)で登場する沖山秀子という女優さんは、今調べたらその後ジャズシンガーになったらしい。『サマータイム』という盤が出ている。その生活ぶりもその演技から来ている……みたいな人らしい。「ちょっとくさいんじゃないのお〜」と見ているうちに、まったくその世界に連れ込まれてしまう、妙な説得力のある女優さん。
う〜ん。昨日一日、私のからだから沖山さんが離れなかった。

昔の今村作品って、「え、ここでそんなことするんだ?!」みたいな、すごい「ダサ」系なことがいっぱい出てきて、例えばトリ子が巫女のように死んだお爺さんの魂が乗り移ってご託宣するシーンとかでも、とり憑かれてカツゼツがはっきりしないから、画面にテロップが出たりするの。(笑)
でもそれがおもしろい。カンヌを取った「うなぎ」とかは見てないけど、新しいものも見たくなりました。

「復讐するは我にあり」「楢山節考」「黒い雨」、それからまだ見てない「豚と軍艦」、あと黒木監督の「祭りの準備」あたりを今回また見たいかなあ……と。

国立近代美術館フィルムセンターで、一般500円で見られます。
…………終わった後のトイレの行列が男子トイレの方に出来ているのが、ここの特徴でありました。(笑)

三つの宝
4/6 北とぴあ さくらホール
劇団文化座 

2004年文化座アトリエで初演したものを、キャスト・美術を大幅に変更して、北とぴあで上演しました。初演より、随分とすっきりとして、大掛かりなセットをシンプルに役者たちで動かしながら紙芝居のように進む展開に、子供たちも多くいた客席には集中した空気が流れ、次にどうなるんだろう……という想像の世界を膨らましていました。
 単なるお話の羅列に終わらず、芥川龍之介という人物を前面に打ち出した芝居作りで、大人だけでなく、子供達にも、文学を作る背景にいる「作家」という者の存在を考えさせる舞台になっていたと思います。※原田一樹演出

いのちのたいせつ
3/20 杉並公会堂小ホール
シアター・ブロック

お友達の塩谷直美さんの御案内で観てまいりました。
構成・演出の新城聡さんが、木下順二、太宰治、織田作之助、三好十郎らの短編や詩を、俳優の身体を通して表現する形になっており、キンダーのモノドラマやアンソロジーにも通じる要素がありました。私が好きだったのは、木下順二の放送劇(だったんですね!?!)「女工哀史」の女工さんたちが、忙しく忙しく手足を動かしながら語る内容でした。また、三好十郎の「マリヤ達」のオマージュ。「ボレロ」の曲に合わせて女郎さんたちが身体検査に向かう道々がユーモラスでリズミカルで映像的で面白かったです。

ラプチュア
うちょうてんな人々
3/19 円スタジオ
演劇集団円

お友達の井上倫宏さんが出ているので観に行きましたが、非常に刺激されました。オーストラリアの女性作家が書いた作品で、終演後トークショーも聴きましたが、その作品内容もさることながら、私が感銘を受けたのは、その演技の質の高さ、そして統一感でした。演出の手腕もあるのかもしれませんが、6名の登場人物がそれぞれ、どういう風に今存在しているか……ということをきっちり把握し合っている感じがしました。当たり前のことのように思うかもしれませんが、これがなかなか難しいと思うのです。両サイドから観客に挟まれるように観られる舞台構造……、後ろ向きになっていても、その人がどんな顔をしているか、想像出来たのが面白かった。そして、座長の仲谷さんや岸田今日子さんを失って、きっと今後劇団が歩むべき方向を探っているところもあるのでしょうが、「円」という劇団の奥深さ、歴史の重さ、常に期待され続けている演劇の内容に思いを馳せました。何かとても厳しい心づもりの中で行なわれている演劇で、すごい……と素直に思いました。井上さんのイッちゃってる男の存在。その妻の高橋さんの、美しいだけじゃない虚無感も好きでした。

父と暮らせば
2/11 青年座スタジオ公演
小劇場楽園

青年座養成所の同期、野沢由香里さんのひとり芝居。
昨年初演をし、その時は「リーディング」の形を取っていて、とても面白かった。
が、本を持っている必要が無いほど芝居をちゃんとしていたので、「ひとり芝居にすれば良いのに」とメールを打った覚えがあります。
だから……というワケではないでしょうが、今回は完璧なひとり芝居になっておりました。
ひとりで、父と娘と語りの三役をこなす。モノドラマでもそうですが、非常に大変なことです。しかも1時間30分!! またまた感動してしまい、涙々のステージでした。
ただ、ちょっと3役を演じ分けようとしすぎたかな? ……という感想が涌きました。
客は想像をしようとしているので、もう少し抜いても大丈夫な感じがしました。
…………でもそれが難しいんだよなあ。
語りの部分のストンと抜けた表情と哀愁は、「さすが! 由香里!」と思いました。

カリフォルニア・スイート
2/4 シアター・ピース
明石スタジオ

ワークショップに参加してくれている安食真由実さんが出演していたので観に行きました。ニール・サイモンの4話のオムニバスで、3話目が女優とその旦那さんの話なのですが、役者さん(亜木園枝さんと吉田潔さん)が面白かった。日本人が演じるにはとかく無理がありがちな(でも良く上演される)ニール・サイモンで、まして女優の役なのでどうするか……と思いましたが、高慢で自意識過剰な割りに自信が全くない、ほんの少し売れている女優……というスタンスを巧く表現していたと思いました。有名俳優の名前を連呼するような脚本ですが、外人を演じていないし、違和感を感じさせず、悲しい日常と二人の関係も見えて、切なくなりました。うまく「日本人らしい考え方」と融合させていたからじゃないか……と思いました。
全体的にもテンポ良く丁寧に作っていて好感が持てました。

彩の国ゆめコンサート
2/3
彩の国 さいたま芸術劇場 小ホール

お友達のむらちゃんが出演したので、行って来ました。わたしも昨年立たせてもらったさいたま芸術劇場小ホールがまた違った雰囲気で、かわいらしくステージングされ、トップバッターがむらちゃんでした。
むらちゃんの即興ピアノは、いつもの切れと優しさがあって、とってもヨカッタ。
そしてトークが楽しかった。
客席には、関係者以外の方も一杯いらしていて、年配の男性の姿も多く見られたのですが、オープニング、ちょっと固くなっているそういう方たちを、ほぐして笑わせて、尚演奏に集中させる技は流石でした。
むらちゃんの人柄が現れててヨカッタな。
久々に聞いた「焼き芋」(むらちゃんのオリジナル曲で、焼き芋売りの音がモチーフになっている)も優しく楽しかった。
それから、どういう時に歌が生まれるか……というトークも、なるほど……と思った。目が不自由なむらちゃんが、どういう瞬間にイマジネーションして、どういう風に曲を作って行くのかが想像出来て、なるほどなあ……と思った。障害を持つということは、一つの物事に対してとても敏感になれることなんだ……と思った。目が見えない子供が描いた「風」という絵を見たことがある。演劇も絵画も音楽も、総べてイマジネーションを喚起させないものは駄目だと思う。演技のしすぎ、説明のしすぎ、感情だけの表現、それらはすべてイマジネーションを抑え込んでしまう。→自分へ。

彩の国ゆめコンサート

UNBORN
1/28 apartment
王子小劇場

柿森ななこさんが客演。

大原御幸異聞
1/20
国立劇場 小劇場

マイミクの方の御紹介で観させていただきました。
能の世界はやはり幽玄でした。背中で語る能役者。時の流れ……。
今回はその中に現代語を語る役が出演しましたが、能のシーンの方が喚起されました。

動物園物語

1/16 
シアター1010

シアター1010の大舞台の上にステージと客席を組む舞台。台本を読んでから行ってヨカッタ。