けさくの感激覚え書き その参(2005)

ポプコーンの降る街

12/18 劇団大樹
スタジオあきら

キンダーにも客演してくれている、川野誠一君の劇団大樹10周年記念公演。
10周年おめでとうございますm(_ _)m

てんてこ一座

11/25 藤間悠千代の会
セシオン杉並ホール

The 30sの春日亀さんが所属する藤間悠千代の会の舞踊の会。今回はボランティア活動として地域の敬老会や老人ホームなどで踊ってきた、肩の凝らない舞踊を、童謡や演歌、民謡などで踊ってくれました。
この会には、春日亀さんの他、青年座で同期だったあっちゃんや、NLTの養成所にいたMさんも一緒に出演するので、毎年楽しみにしてます。たまには日舞を見るのも良いものです。なんか、地域のお祭りに来たみたいなほんわかした会でした。

劇的リーディング

11/23 
シアター1010

柄本明 剣幸出演

Bobbi

11/16 NLT
俳優座劇場

原田一樹演出

上石神井サスペンデッド

11/6 Suspendeds
プロトシアター

以前このプロトシアターに芝居を観に行って、駅から遠いし、芝居は………だし散々な目に合ったから、正直この雨の中少し憂鬱な気持ちで向ったのですが、いやあ、行って良かったです、雨の中。(しつこい?)
今度「えれくとら」に出演してもらう白州本樹さんが客演。彼の後輩で円の養成所を卒業した早船聡さんという方が作・演出をした旗揚げ公演でした。
役者さんも円の方、民芸の方、エコーの方、他にも若くて良い役者を揃えたのも良かったのかもしれないけど、何気ない日常……の切り取り方が上手いというかさりげないというか、それでいてきちんとドラマティックで、好きでした。あまりに声が小さくて聴こえないようにつぶやく台詞も、「演出かい、このヤロ」って感じで。最後は、別に戦争ものでも、子供が死ぬワケでも無いのに涙が出ました。ううう、ヤラレタ……。旗揚げはやっぱりその代表の人の人生が注ぎこまれて熱くて厚いものになりますね。プロジェクトを維持するのはこの先イロイロ大変だろうけど、期待しております。

白い島

11/3 方の会
赤坂区民センター

目黒幸子さんが主演。座長の市川夏江さんの書いた台詞でぐっと来てしまったフレーズがありました。子供を亡くした時のお母さんの台詞。「家出うさぎ」がまだわたしの中で尾をひきずっているのか……(笑)

10年後の思い出

10/20 りばいぶ
シアターグリーン

「新・新ハムレット」に出てくれた荒井志郎君が出演。
8月に見た2+1の芝居と同じで、死んだ同級生を思い出せない人たちの話。しかしこの場合、自分たちが殺した人間のことを、いくら忘れたくても忘れてしまうかなあ…っていうのが、単純な疑問。
志郎は相変わらず軽くて良かった。

バルカン動物園

10/19 桜美林大学ハフォーミングアーツプログラム
プルヌスホール

能登中島高校出身のFさんが、桜美林大学に入り、その修了公演。平田オリザさんが桜美林で作る最後の作品でした。ホールが素敵。大学の専用のホールってこんなにきれいなんだ!! 演劇専用なのかはわかりませんが、どのようにも組めるようになっていて、なかなか見やすかった。役者たちも、さすがに大学生…。いますぐにでもプロで通用するような人もいました。
ひさしぶりに見た平田ワールド……、なかなか面白かった。前回青年団を見た時も思った。自然な演技…といっても独特だし。重なる台詞にはイライラさせられてそれはそれで面白い。

雪の女王

8/28 キラリ☆ふじみこども劇場
キラリ☆ふじみメインホール

キラリ☆ふじみで今度同じアンデルセンの芝居を打つので、偵察(?)に行ってきました。(笑) ぶっとんだ話なので、子供たちがイメージをいっぱい膨らまして見ていたら面白いなと思いました。主人公の女性の細い肢体ばかりを見てしまいました。きれい。セットもきれいでした。

紙ヒコーキ

8/26 シアター2+1
シアター2+1アトリエ

いさらい香奈子さんの劇団の観劇はもう5年位、わたしの夏のイベントとなりつつあります。
ひさしぶりに会う同級生たち。子供の頃いなくなった同級生のことを思い出せないおばさんとおじさんの話。ちょっとオカルトチックでドキドキした。おばさんお二人が好きでした。

だるまさんがころんだ

8/14 燐光群
下北沢ザ・スズナリ

 ひさしぶりに燐光群の芝居を観ました。「だるまさんがころんだ」は再々演だそうで、とても面白かったです。
 テーマになっているのは「地雷」。地雷除去に行く自衛隊員、地雷の郷になってしまっているどこか南の国、敵方の襲撃を恐れ玄関から母屋までを地雷で埋めることを命令するやくざの親分、親分のために地雷を手に入れようとする子分、その恋人の地雷撤去ボランティアの女は帰国する度に自分の身体を失っていく。そして日本で地雷を製造していた会社を真面目に務めあげた父、その父の姿を小説に描く娘はある日通り魔に襲われて殺される。「地雷」をめぐり、様々な時代と土地と人々が交錯し、最後は全員で「だるまさんがころんだ」で遊ぶ。「だるまさん」とは、地雷で手足を無くした人々の呼び名であった。 
 私の好きな役者さん、大西孝洋さんと下総源太朗さんがまた面白かった。それから「娘」を演じた女優さんが良かったなあ。

アミカル

8/7 Pun-Pun-sPoon
新宿サニーサイドシアター 18:30〜

 ハラホロシャングリラに所属する三人の女優さんで結成している、プンプンスプーンというユニットに、作家の池谷ともこさんが書き下ろした作品。
 女三人は同級生で、今日は久々にホテルで三人でお泊まりをするプチ同窓会。それぞれが、それぞれの生活での不満を、久々にお互いに会うことでの虚栄心に代えて表現するあたり、ちょっとヴァニティーズを彷佛とさせました。元演劇部という設定で、「三人姉妹」を上演したり、途中オカルトチックになったり、と思うと、急にシリアスになったり、とにかくクルクルと目まぐるしく変わっていく設定と、美人なのに顔ぐちゃぐちゃにして演じる三人の女優さんたちの面白さで、あっと言う間の1時間50分でした。

今日はどちらも1時間50分のお芝居だった。とてもよいお芝居を観られて満足の一日でした。

紙屋悦子の青春

8/7 青年劇場
青年劇場スタジオ結 14:00〜

 松田正隆さんの作品はよく上演される。あまりによく上演されるので、食わず嫌いになりそうであった。食わず嫌いにならなくて良かった。作品も良かったが、出演者も良かった。きっと演出家の見せ方も良かったのであろう。

 戦争という大きな出来事の中で生活していく家族の台詞は、たんたんと、世界が激しく動く中でたんたんと進む。
 紙屋悦子と明石少尉はお互い心を惹かれあっている。しかし特攻隊志願の明石は、悦子の心も知りながら友達の永与を悦子に紹介し、悦子は永与と交際すると返事をする。明石が、明日いよいよ突撃すると挨拶に来る。明日死んでしまう好きな人に静かに別れを言う悦子。去る明石。追いかけろと兄嫁は言うが、悦子は追いかけない。
 パンフレットには、「何故悦子は明石を追いかけないのか、私だったら明石に好きだと言う」と書かれた小学生のアンケートを上げ、戦時中の「ものいえぬ」時代に再び逆戻りさせてはいけないと演出家は語る。

 せつない悦子の心情と、それを知りながら、どうにも出来ない兄と兄嫁。そして永与。

 「奇妙な幕間狂言」に出演してくれた花ケ前浩一さんが悦子の兄を演じ、戸室加寿子さんという女優さん(いいんだなあ、この人の芝居)が兄嫁を演じた。悦子を含むこの三人の会話が、たんたんと面白くリアルで、芝居の可笑しみと重みを出していて、とても良かった。明石役と永与役の役者さんも魅力的でした。

 まあ、しかし、ずうっと泣きっぱなしで、エクエク言ってしまって、辛かったっす。

OLIVE DRAB
(オリーブ・ドラブ)

7/27 The 30's
アイピット目白

原田一樹 演出
加藤奈緒美 客演

イブラヒムおじさんと
コーランの花たち

7/23 On Time
博品館劇場

いやあ、やっぱりいいわ、三田和代。
説得力があるし、存在が違う。物語りがきちんとこちらに来る。あんなに早口で大丈夫かしら? と思うけど、口跡が良く、きっちり内容が入ってくる。
台詞をきちんと前に飛ばしてくれるから、気持ち良い。内容のスピードと情緒がこちらに伝わってくる。たたずまいも燐として清々しい。観に行って良かったです。

ちょうど芸団協から送られてきたジャーナルに、三田さんのインタビューが載っていて、【「聞く」ことの連続で「いる」ことが支えらる。】ってタイトル。
【とにかく相手の台詞をひたすら聞くんです。必死で聞く。全部聞き取る。そうすると、自然に自分の感情が、ことさらに用意しなくても、おとずれてくるものなんです。事前に自分で用意してしまうとダメだと思うんです。聞けば、そこにいられる。】

この「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」(映画もやってましたね)のシリーズは、オリジナル音楽の生演奏と共に役者さんがリーディングをします。
浦井健治・松村雄基・榎木孝明・麻実れいなどがこの後に続きますが、その第一段が三田さんでした。知り合いの武藤さんが翻訳のお手伝いをしていたので、少しお話を聞きましたが、演出の青井さんは、「ラブレターズ」の時も、三田さんを初演にお願いしたそうです。やっぱりいいわ、三田和代。

※三田さんは終わってしまいましたが、この後も続きます。興味がおありの方は是非。

http://www.ontime.jp/

桜幻想

7/16 蘭このみスペイン舞踊
シアター1010

原田一樹 演出

銀河鉄道の夜

7/16 わらび座
川口市民会館

前々から噂ばかりを聞いておりました秋田のわらび座公演。川口市民会館に来るというので、スタッフの方がチケットを取ってくださいました。
わらび座の会社概要というのを観てみました。

1.音楽、舞踊、演劇の創造、企画、出演、興行
2.劇場、ホテル、レストラン、喫茶店、浴場の経営
3.酒類の製造、販売
4.産地食料品、民芸品、工芸品、観光用みやげ物の製造、展示、販売
5.造林、植林に関する事業
6.全各号に付帯する一切の事業

つまり、「演劇」だけでなく、「演劇」を通じていろいろな営業とリンクさせることよって、お芝居を観ること、お食事をすること、観光をすること、美味しいビールを飲むこと、すべてをまかなうことを目的としているようです。また同時に全国を巡演して回っていて、その制作手腕はすごいものがあります。

今回の銀河鉄道の夜は「しあわせなモミの木」と重なるスタッフも多く、台本/市川森一氏、音楽/甲斐正人氏、美術・衣裳デザイン/朝倉摂氏、衣裳/中本友子氏というそうそうたるメンバー。そして音楽座で原田や古木も御一緒させていただいた鎌田真由実さんが振付けということで、市民会館で行なっていることを忘れてしまうような、セットや衣裳や振付けの豪華さでした。

「銀河鉄道の夜」はやはりとても良い原作だと思いました。鳥捕りが居なくなった後のジョバンニの台詞、カンパネルラの死の後の父親の台詞、やっぱりジーンとしました。
「ホントウのさいわい」………全員が「ホントウのさいわい」を考えれば、世界は救われるのかな?

笑う招き猫

7/13 文化座
六行会ホール

原田一樹 演出

農家ライブ
7/10 立川AAカンパニー

古瀬陽子さんと、totutotuがゲストの「農家」ライブ。楽しんできました。
「農家」の瑞穂ちゃんの歌声はいつも私を元気にしてくれます。今回はCD発売を記念して、ゲスト2組を迎えての豪華ライブでした。

以前から瑞穂ちゃんが「可愛い可愛い」と言っていたtotutotuの二人の歌声は本当に清々しくて、少女の(なんて書いたら二人に怒られるかもしれないが、お母さんみたいな年齢の私にとって、あなたたちは【少女の部類】です)デュオというのは良いものですね。気持ちが洗われる。
また詩がいいんだなあ。とても身近な言葉を紡いで、良いサウンドにしている。こういうのが才能ですね。
歌いながら弾く楽器がキーボードとチェロっつうのが、また泣かせます。

totutotuのライブの間、隣の席で緊張していた古瀬さん。アリテイに考えれば、「若い子が前座で歌っちゃって、それが結構評判よくて、次、出にくいだろうなあ」なんてセコイことを考えていた私ですが、古瀬さんは、totutotuとは全然違う世界を見せつけてくれました。パワーがぐんぐんとこちらに「くる」感じで、「緊急宣言」とも言えるトークと共に、古瀬ワールド全開、気持ちの良いライブでした。

そして、我らが瑞穂嬢の歌声は心のどまん中に沁みました。
なんでだろう、過去の覚え書きを読んでくださればわかるのですが、私は瑞穂の歌を聞くと「人生」を考えます。一つ一つの言葉が直球で私の中に来るんだなあ。それが何回聞いても、いつもだから、すごい。
満席のお客さまの中で歌う瑞穂ちゃんは堂々としていて、貫禄十分。いつまでも、心に沁みる歌を歌って欲しいと思いました。応援している仲間がいっぱいいるのが、瑞穂ちゃんの「力」ですね。

Dance"MOVE"!! Student's Performance Vol.4!!
7/9 Dance"MOVE"!!
なかのゼロホール

古木杏子 振付・指導・出演

銘々のテーブル
6/20 俳優座
俳優座稽古場

原田一樹 演出


お月さまへようこそ

6/19 THEATRE MOMENTS
西荻WENZスタジオ

ジョン・パトリック・シェンリーの作品。好きな作家です。「ダニーと紺碧の海」はよくテキストとして勉強に使用します。
「新・新ハムレット」に客演してくれた荒井志郎君が出演していました。
この芝居を観るのは4回目くらいかな。ナントうちの仲上のも観た記憶がある。
5つの「愛の形」のオムニバスです。
今日のTHEATRE MOMENTSはとても可愛くまとまめていました。もともと可愛いお話ではあるのですが、テンポも良く、飽きませんでした。
若い役者さんたちが、特に劇団所属の役者さんたちが、リアルにお芝居をすることをとても大切にしていると感じました。演出の人のこだわりもあるのでしょうが。芝居にウソをついていない…という意味ではとても共感しますし、可愛かったし、よく練習を積んだ感じもしたし、上手かったです。
でも待てよ……と。
リアリズムだけで最後まで貫かれるの(ひとつふたつそういうシーンがあったのですが)は、どこか、気恥ずかしい…というか、心の落着きどころが無いものなのですね。どこか一点、「これはお芝居なんですよ」というような見栄のようなものを見せてくれるとホッとする。
その点、荒井志郎君は、持ち前のセンスの良さと共感度、そして押し出しの良さで、第4話(この芝居の中でも好きなお話)を見せてくれました。
これと同じようなこと、とても若い時に、大先輩の役者さんに言われたことがある。その時はよく意味がわからなかったのだけど、今になって「ああ、こういうことなのかな?」て思いました。

ちいさな歳月

The Little Years

6/14
ル・テアトル銀座

カナダの劇作家ジョン・マイトンの作品。なんだか【銀座】で観るにふさわしい…って感じの、洒落た哲学的な作品だった。

岩崎加根子・長山藍子・新橋耐子というソウソウたるメンバーで、新橋耐子、相変わらずきれいだし、芝居も良かったなあ。岩崎さんは、ナント13才から演じなければならない…という役どころ。主人公の彼女が、登場しない「デキル」兄とのジレンマやら、哲学的で数学的な悩みやらがこの芝居の見どころ。

また稲本響氏というピアニストの作曲で、音楽が生で全面に流れている。演奏はとても上手だったけど、正直役者さんたちが、音楽に合わせて芝居をすることが、とってもやりにくそうに見えたのは、勘違いかしら?

しかし、長山藍子の美しさはどうだろう? 新橋さんも何十年前と全然変わらない。女優って恐いわ。松田洋治君のお芝居をひさしぶりに観た。前回(10年位前)に観た時「あれえ、この子、どこでこんなコマッシャクレタお芝居覚えてきちゃったの?」とテレビで可愛かった頃を懐かしく思ったりしてたけど、今回少し大人になっていました。でも相変わらずチッチャくて可愛い。で、なんだかコマッシャクレタ芝居してました。(笑) いつまで子供扱いしたら失礼ですね。

ミリオンダラー・ベイビー

6/3
シネマサンシャイン

あらゆる映画評にめちゃくちゃ良く書かれているから、どうしても早く観たかった。クリントイーストウッドが監督・主演したボクシングの映画です。
アカデミー賞4部門受賞作品。

ベースはボクシングの話なんだけど、この話にはたくさんの要素が盛り込まれていると思った。

人を信じることのすごさ、人を育てることの充実感、肉体のすごさ、肉体のもろさ、弱者、本当の意味の強者、家族愛と崩壊、情熱、信頼、信仰、ひとりの孤独、二人でいることの孤独、他人への責任の重さ、見届ける者のつらさ、傷、尊厳死、愛。

モーガン・フリーマンがナレーションをするのを見て「あ、ショーシャンクの空に」と同じ…と思ったけど、このナレーションやら、途中イエーツの詩からの引用やら、字幕で意味を追っているとあまりにも深すぎて読み切れないところがあったけれど、全編通して「人生の意味」を問うている、それでいて説教臭くない感じが良かった。

まあ、とにかく、私はずっとベエベエ泣いていたわけですが、ジジコンの私としては(笑)、クリントイーストウッドはあまりにもツボにはまりすぎて、反則です。

ああ、それから主人公マギーのリングネームとしてつけられる「モ・クシュラ」の意味を最後に告げる場面、あああ、もう、、、、、!!!

モダンガールズ

5/29 ステップス
紀伊国屋サザンシアター

「いや、いいですねえ。ミュージカル。」
……これが自分の言葉とは思えませんけれど、「ミュージカル、へっ」と思っていた私ですが、今日はなかなか良いもの見せてもらった気がします。
音楽座から離れた横山由和さん率いるステップスのうわさは良く耳にしていましたが、実は初めて拝見しました。期待以上に楽しかったし感動したのは、単純なお話ですが、演出のテンポが良かったこと、そして何より、役者たち歌が上手い!!
うちのミュージカル担当、白沢と古木も「あそこの人たちは歌が上手いんですよ」と声を揃えていましたが、本当に上手かったです。声量もあるし、表現力も豊かな人が多い。お芝居も良い人は自然でとても良かった。
千秋楽ということもあり、満席のお客さまは皆さんファンの人たちらしくうらやましかったけど、その中に入って違和感を感じることもなく、とても素直に拍手することが出来ました。
横山さんには、昨年能登のワークショップで御会いして、そのたたずまいに、まったくミュージカルらしさを感じない人で驚いていましたが、その人柄の暖かい感じはこのユニットにも通じているような気がしました。また「日本人にミュージカルはちょっと」と思っていましたが、より日本人体型の人たちを良く活かしている本や演出に感心しました。
今週の6本の締めくくり、なんか良かったわ。これ観て。期待していなかったから余計嬉しいです。

COME TOGETHER

5/27 Q/on
TACCS1179

吉田利成君が率いるユニット。やってる人たち楽しそうだったです。

舞戯曲 骨

5/26 千流螺旋組(ちりゅうらせんぐみ)
王子小劇場

開演前に「砂が降りますので」という理由で、鞄を預けさせられ、マスクと雨具を配給されたまではドキドキしました。

鶴八鶴次郎

5/25 演劇倶楽部 座
シアターVアカサカ

以前から一度観てみたかったのですが機会が無く、内山森彦さんが、病気で倒れた湯浅実さんの代役で出演することになったと御案内をいただいたので、行きました。
小説を題材に、地の文の語り手と役を演ずる俳優によって「演劇」として創り上げる「詠み芝居」という形で、俳優の壌晴彦さんが率いるプロジェクトです。

モノドラマでも同じように小説の文体をそのままひとりで上演していますが、モノドラマの場合ひとりで全てを行なうことで、観客にゆだねられる想像の範囲が大きいと思います。また、クナウカのようにスピーカーとムーバーが完全に別れている場合も、2人が合わさって倍増する人格の面白さがあります。
今日の芝居は、登場人物が実際にそこで行なっていることも、地の語り手が更に語るので、その華やかさや面白さはありますが、想像力を呼ぶ力には欠けたような気がしました。二重に説明されているような気がして。
お話を知るにはとても良かったし、お話自体も面白かったですけど。
壌晴彦さんのお芝居はわたし大好きです。
内山さんも代役で稽古期間が少なかったとは思えない演技で、ラストシーンもとても哀感がこもっていて素敵でした。

箱根強羅ホテル

5/24 
新国立劇場中ホール

スターダス養成所の講師をしていらっしゃる酒向芳さんが出演なさっているので、久々の井上ひさしワールドを堪能しに行って参りました。
井上流 ドラマ・ウィズ・ミュージックで、生バンドで、随所に歌がちりばめられていましたが、後半物語が進み、物語の中の戦争状況の悪化が良く見えてくるに連れ、その歌を打ち消すような台詞や動作があり、それが効果的でした。
麻実れいさんはやっぱり華があるなあ。そのたたずまいにうっとりと見愡れました。藤木孝さんも相変わらず「変で」良かった。辻萬長さんも良かった。酒向さんも大高さんという方も面白かった。ただ大好きな梅沢昌代さんがなんだか今回はお芝居お芝居していて少しガッカリしました。

しかし「国立劇場」なのに、なんでこんなに高いのでしょう?
一番安いB席はすぐに売り切れてしまい、それで3,150円。Sは7,350円。これはまだ芝居だから。オペラに至っては一番良い席21,000円!
一般人を排除しているとしか思えません。これがなんで国立なの?
井上ワールドだって連作で書かせて上演するのなら、おばさまたちも結構だけど、もっと若い人にも見やすい料金設定を徹底してすべきだと思います。学生格安サービスをしているけど、ものすごく悪い席だし。良いものを安く見せることをもっと「国立劇場」が率先してやるべきだ。
声高に叫んじゃうね。

プレスツアー

5/22 劇団花鳥風月
新宿タイニイアリス

ストーリー「爆弾テロが頻発する戦闘地域で組まれたプレスツアー。日本の各メディアの特派員も参加していた。爆弾テロ現場を取材中、テロ掃討作戦が開始された。戦闘に巻き込まれ、戦禍の中に取り残された特派員が逃げ込んだのは、民家の地下に作られた地下室だった。頭上では砲弾が飛び交い、地上に出る事が出来ない。戦闘が続く中、彼等は果たして地上に出る事が出来るのか!」

WEBページからあらすじを書きました。
そういうお芝居でした。
タイニイアリス、新しくなったとは聞いていましたが、やっぱりあまり変わらない閉息感、息苦しくなるような環境に、この芝居はあるイミぴったりでした。この筋書きがリアルなのかどうかはわかりませんが、若い人たちが真摯なものに向って芝居を打っていこうという姿勢はとても良くわかり好感が持てました。

命ある限り極道として

5/8 シアター・バロック
東京芸術劇場 小ホール2

ナント2002年からはじめて、10本行なってきたそうです。「踊るヤクザシリーズ」。武田直樹さんが本を書きはじめた2本目、お友達の栗田さんも客演して、見に行ってから、そんなに時間も経っていないのに、もう10本。
短期間に続けてきた良さを感じた部分は、照明・音響を含んだ皆さんのイキの合い方でした。

真夏の夜の夢

5/4 楽塾歌劇 
流山児アトリエ

去年この欄を始めたきっかけになったユニット。
流山児 祥さんが45歳以上の大人のために作った演劇集団。
その「ものすごさ」にびっくりして、何か書きたくなって始めたのだった。
相変わらず「素人」を武器にしたパワーと開き直りはすごかった。
みんな楽しそうだし。。。

私達も三重に始まって、石川、佐世保、足立とアマチュアの人達と芝居を作っている。アマチュアだからこそ、そこに見せられるものも、プロがやれないこと、もっと深く大きなもの、もっと日常に根ざしたものがあると信じている。
だからこそ、作品の質や、選び方、演出の仕方、絶対にプロに負けない「何か」を求めてストイックにやって行かなきゃならないと思う。特に、今年2年目の足立の「しあわせなモミの木」は絶対に去年とくらべられるだろう。より良いものにしなければならないプレッシャーがある。

楽塾歌劇は8年目だそうです。8年目だともう「アマチュア」じゃないのかもしれない。だったら9年目はもっともっと精進した姿を見たいものだと思いました。

冴理ライブ

4/27 冴理ライブ
水道橋東京倶楽部

友の会の冴理ちゃんのライブを久々に聴いてまいりました。この人の低音はいつ聴いてもしびれます。相変わらず冴えるスキャットが東京倶楽部の大人の雰囲気にぴったりで、素敵なひとときを過ごしました。
賛助会会員でありサエリストのしんちゃんが同行してくれたので、ジャズの他に冴ちゃんのオリジナル曲も披露してくれて「しんちゃん感激!」
また冴ちゃんはつなぎのしゃべりが面白い。考えてきているなあ…という感じがするのだけど、それがさり気なくて好きです。
山口さんのギターは冴えまくり、途中NORIKOさんの飛び入りも楽しく、女性人気No.1の鈴木さんのベースも素敵でした。が、私の好みはパーカッションの小松さん。ずっとお顔を見てしまいました。太鼓を見る目が愛しい女性を見る目のようで「この人はきっと太鼓のことしか愛さない男だわ。そんな感じがしぶくて素敵」と思っていると時々ニコッと笑う。そのギャップにヤラレていたのですが、しんちゃんが隣でボソッと「東八郎の息子に似てませんか…」と言ってから、もうどう見ても「東八郎の息子」になってしまった。うわーん!!!
ヾ(;□;)э

 

冴理ちゃん    パーカッションの小松さん  ギターの山口さんとNORIKOさん。

※先日の
Sohla ライブでも「小松さん」というマリンバ奏者(♀)に見愡れていた私。「今、小松から目が離せない!」だわ。

SAERI

Sohla ライブ

4/26 Sohla ライブ
西荻窪 音や金時

和田啓さん、松本泰子さんが率いるたくさんのユニットの中のひとつ。
「SohLa」と書いて「そら」。インプロビゼーション(即興)を中心とした、ボーカル・ソプラノサックス・マリンバ・パーカッションのユニット。

相変わらずの泰ちゃんの澄んだ歌声、インプロぽい(?)声のうねりは素敵で可愛かった。啓さんの打楽器が替わる度に目を見開いてその演奏方法を見ていた。
カメの横に穴が空いているような楽器や大きな太鼓の表面を爪でこするようにすると、微妙な音色が出る楽器が面白かった。
この楽器について質問したらすぐにお答えいただきました。m(_ _)m

> 啓さんが昨日弾いていた、大きなカメに穴が空いたようなものと、大きな白い太鼓(指をなめてスーっと弾くやつ)は、どこの国の楽器でなんという名前なのですか?

カメのほうは「ウドゥー」と言って、ナイジェリア起源と言われている楽器です。
同じような形状のものはインドなどにもあります。
大きな白い太鼓は「タール」といいます。こちらは主にアラブで使われる楽器ですが、
同じ形状で奏法が全く違うものが世界中にあります。
あの「タイタニック」の船底でのパーティーシーンで演奏されているもの同類でアイリッシュの「バウロン」というものです。
あちらはバチを使って複雑な奏法で叩くのですよ。
打楽器は作りが単純なほど面白い奏法や音が出るものが多いかもしれませんね。

「ウドゥー」は、叩く他に、穴のところを手の平で押さえることによって、気圧で手を離す時に出る「ンボ」って感じの音が面白く、なんか子供の時に瓶とかでそんなことやって遊んだことを思い出しました。なるほど、単純なことほど面白く身近に感じます。
そしてこのお2人の、海外を含む広範囲にわたる活躍には頭が下がります。

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農家団ライブ

4/24 農家団ライブ
立川AAカンパニー

友の会の漆原瑞穂ちゃんが率いる農家団のライブ。
瑞穂ちゃんのオリジナルの歌は、詩が聴く者の中に入ってくればくるほど良い。私の大好きなおじいちゃんの歌の他にも、詩の内容に漆原瑞穂の生活とリズムが反映されている楽曲が多く、ライブ自体のリズムと客席の昂揚がそれと結びつくと、彼女の歌唱力とあいまってとても良い空間を作り出す。彼女も周りもノッていたように思いました。
今回はそれとは別に、友達としての彼女の人生などもライブの最中に考えて、感慨にふけってしまった。念願のお店を持ち美味しいものを提供する他に、その場所を若いアーチストに毎日開放している。彼女自身は基本的にはお店で歌うことは少なく、聴くことに徹することで涌いてくる共感だったりフラストレーションと言ったものを溜め込んで、何ヶ月か一度彼女の中で消化し、昇華したものを出しているのだろうと考えた。同世代として、何か「やる気」を与えてもらった気がして、感謝した。

農家

花祭

4/23 岡部企画プロデュース
紀伊国屋ホール

俳優座の阿部百合子さんからの御案内で、何年かぶりに岡部企画のお芝居を拝見しました。阿部さんは相変わらずリンとしていて、民芸の入江杏子さんのお声にしびれました。

『土の中の馬賊の歌』

4/17 演劇工房
東京芸術劇場小ホール2

「奇妙な幕間狂言」に出演してくれた花ケ前浩一さんが出演していたので観に行ったのですが、いやあ、面白かった。私こういうの好きです。

芝居は、詩人小熊秀雄と今野大力のこと。2人がプロレタリア詩人として、満州事変によって弾圧されていく様を描いた、いわゆる人間ドラマで、途中私の好きな宮本研の「美しき者の伝説」を思い出したけど、作り方がとっても素朴…というかごまかさないというか、演出家と作家がこの芝居を上演するにあたって、どれほどの「言葉」を役者に費やしたかがなんとなく解る作品でした。

暗転が多いのだけどそれをあまり感じさせないのは、展開の早さと、暗転前の引き際の良さと、暗転中に流れる即興のパーカッション(生演奏)。「詩」をテーマにしているので、途中幾度となく会話の中に挿入される「詩」そのもののリズム感。そしてとにかく、主役を含め主なる俳優の活舌の良いこと!!!
……イヤ、そんなことに感心してしまうのは情けないけど、かなり稽古してその内容を腹に落とさないとなかなか出来ないんじゃないか…?と思ったし、3時間の長さにこの私がまったく飽きなかったというのが、……ねえ。舞台装置が全くないというのも退路を断った小熊を彷佛とさせ(?)潔かったです。
プログラムに書いてあったことも興味深かったのだけど、HPに書いてあったことを抜き書きします。

演出の木内が稽古場で、マリオネットについての小熊秀雄の言葉を紹介した。
「……マリオネットを操ることは誰でもできる。だがこれを実感あらしめることは誰にでもできるわけはない。それは感情の跳躍ということが必要だからだ。」 
 そして小熊は、マリオネットを操るには資格がいるというのです。その「資格」というのはなんだろう? 
 小熊は言います。
「虚偽と不正義とに反発することに喜びを感じている人間でなければ駄目だ。心理上で嘘を吐いている人間では、全然人形を生きたもののようには動かせないからである。その意味において私はマリオネットは詩人達が主になってやるべきだと思っている」 と。
 舞台に立つ人間は、今芝居をやる動機そのものを、資格を、小熊に問われている。
……真面目でしょ? でもこの真面目さに打たれたのだと思う。で、事実芝居よかったし。ロビーで小熊秀雄の詩集買っちゃったし。(笑)

『トラキアの女たち』

4/16 テアトロ・ヴァッシェロ
キラリ☆ふじみ

ソフォクレスの残存している7作品の内のひとつ「トラキアの女たち」は、ヘラクレスの妻、デイアネイラを主人公とする話です。戦争で奪い取った地でヘラクレスが若い女を手に入れようとしているのを察したデイアネイラは、失望と嫉妬で、以前ケンタウロスのネッソスがいまわの際にくれた「ヘラクレスの愛が減じたときに衣服をこれに浸して着せれば効果がある」と言われた媚薬をヘラクレスの衣服に塗り送ったが、これを身につけたヘラクレスは身体中に猛毒が回り死んでしまう。デイアネイラもこれを悲しみ自殺するというお話です。
演出家のジャンカルロ・ナンニはギリシャ生まれ。1964年にテアトロ・ヴァッシェロを設立したローマの前衛演劇の中心人物で、同名の劇場も持っているそうです。

前衛的というワリには構成も俳優さんのお芝居もとてもオーソドックスというか古典的、どちらかというと老舗の劇団なのかな?という感じがしましたが、コロス(トラキアの女たち)の中の歌手2人の歌がとても良かった。澄んだ声質とドスの効いた感じの声が入り交じり、ハモるデュエットが効果的でした。

しかしギリシャ悲劇の物語を面白い…と感じられるようになったのは、自分がギリシャ悲劇をやったり読んだりしたからだろうなあ、と思います。
この様式や方法論が「こういうもの」と解らないと、なかなか理解されにくいだろうなあ…と思うと同時に、輪廻天性というか因果応報というか、こういう物語を面白いと思うのって、いつの時代も変わらないんだなあ…と思います。だから若い人に観てもらいたいです。

キラリ☆ふじみの国際演劇月間2005

『ねずみ狩り』

4/15 うずめ劇場
シアターX

主宰のペーター・ゲスナーさんは、旧・東ドイツの人。1993年から北九州に在住しうずめ劇場を主宰している。
実は94年の北九州演劇祭で、キンダーの「時代」も見てくださっている。
2000年に原田も審査員に加わった、第一回利賀演出家コンクールで一位となり、その後九州だけでなく全国でその作品を上演してきたが、私は今回初めて観ました。
(利賀村で温泉を御一緒したことはある。とっても紳士な素敵な人です。あ、湯舟に一緒に入ったというイミではありません。)

ゴミの山(夢の島風)に高級車で乗り入れたカップル。車の中には「ねずみ狩り」の為の銃が入っていて、客席にいる「大きなねずみ」を次々に殺して行く。「物」の呪縛から逃れる為に次から次に自分の身に付けている「物」をとりはずしていくプレイボーイ風の男と、ちょっとイッちゃってる感の女。
手帳の中身や携帯やアクセサリー、全てを取り去ることからしか「次」がうまれないと考える2人は、惜しがりながら、また惜しげもなく、「物」を捨てて行く。
やがて乗ってきた車も壊し、本当にスッポンポンになった彼らが、踊りながら、ゴミの山で、「ねずみ狩り」の連中に殺されていく…というストーリーでした。

面白かったけれど、「物」が溢れている……ということが続き過ぎた現代には、もうこういうストーリーが「ありふれて」感じられてしまいました。35年前にドイツ人のペーター・トゥリーニが書いた作品で、当時はその過激さに賛否両論の嵐だったそうですが、今ではオーストリアの文部省の推薦を受け、授業の教材としてこの作品を学んでいるそうです。
最後に裸で踊り狂う2人の後ろに大音響で鳴り響くラムステインの「アメリカ」という曲。「アメリカ素晴らしい」と連呼するこの曲の意味は勿論全く逆であり、ただ、「アメリカを捨てろ…」というメッセージ自体に、もううんざりしながら、まだ捨てられないでいる私達を思いました。演技として、物を捨てていく過程をもっと丁寧にすると、捨てていくことにもっと違う感覚が見えてくると、「今上演する作品」としてもっと面白くなると思いました。

しかしマッパダカ(本当によ!!)で踊られると目のやり場に困るものですね。踊っている人たちは気持ち良さそうでしたけど。

『十三通目の手紙』

4/6 東京コメディー倶楽部・いこい座
新宿107

シアター2+1のいさらい香奈子さんが客演。
「コメディー」と「いこい」が好きなファンが付いている劇団で、それがうらやましかったです。推理劇というのは難しいですね。ある程度「閉息感」のある場所とストーリーが無いと難しいなあ、と思いました。

『ジュヌン-狂気』

3/21 ファミリア・プロダクション[チュニジア]
パークタワーホール

チュニジアの芝居を見た。
「東京国際芸術祭」からのメールで、チュ二ジアからやってきた質の高い舞台作品をぜひこの機会に、というメッセージに期待して。

 原作はチュニジア人女性精神科医、ネジア・ゼンニの著作「精神分裂症(統合失調症)ディスクールの記録」。
 物語りは、11人兄弟の貧困家庭の中に生まれる精神錯乱になっているヌンが主人公。父の虐待や貧困などで家庭的に恵まれない彼が、精神錯乱で病院に入院した時知合った女性精神科医との交流が基本となっている。
 母親は彼を愛さず、兄は死んだ父に代わりヌンを敵対視する。彼の狂気の芝居で、「アルジャーノンに花束を」とか、デカプリオの「ギルバート・グレイプ」などを思い出したが、更に肉体的であり演劇的な感じがした。
 幕の最初は全員が必ず客席を向いてあるポーズを取っていたり、食器を役者同士の「気」に合わせてリズミカルに投げたり音を出したりすることで殺伐とした食卓風景を表わしたり、印象的に身体を使って、コンテンポラリーダンスのように見せる演出が面白かった。照明も奥行きのある舞台を区切り、効果的に見せていた。ヌンが中年精神科医に造花の花をもって「愛されたことのない僕を愛してくれ」と告白する場面など、悲しく、心に迫るものがあった。
 国際芸術祭ではパレスチナ(終演)やドイツの劇団なども呼んで芝居を5劇場位で上演しています。もうすぐ終わっちゃうけど。この芝居も今日が千秋楽、観て良かった。面白かった。

「わが町」
2/2 東京アナウンス学院卒業公演 尾田量生ゼミ
セシオン杉並

学生の公演だから、というつもりで行ったら、良い方に裏切られた。
とてもよかったです。
「新・新ハムレット」の劇評を書いてくださった尾田量生さんの演出。ワイルダーの「わが町」は何回も観ていたけど、原田が町民劇団でやった時に初めて面白いと思い、今も町民劇団レパートリーの中で一番好きです。原田演出は70年代の中島町の設定でテキストレジをしていて、それも効果的だったのだけど、今日のはほとんどそういう直しをせず、設定や時代背景は原作に忠実に演じていました。
それまで観たものも、「それぞれのわが町」に書き直したもの、原作通りのもの、色々ありましたが、そういう構成の有り無しにかかわらず、この芝居の語る意味が頭で判るのではなく、空気として客席に伝わる必要があるのだということがはっきり判りました。
役者の問題もあるかもしれない。
演劇経験年数じゃないなあ、、と、良いものを観たと思う嬉しさと同時に、焦りがやってきました。
更に分析を続けます。

ひねもすの煙

1/15 東京スウィカ
新宿シアターモリエール

「フェアリーテールシアター」「ぱせりのキモチ」に客演してくれた内田尋子さんが出演。テレビやCMを書いていらっしゃる若い女性が作・演出。見事に飽きさせない構成は良かったです。
良質のテレビドラマをスタジオで見ているようで、涙も笑いもあって、役者も上手で主役は美人。可愛い子役もいたし。途中まで良いもの見たなあ…と思ったのだけど、最後にまとめられちゃった感あり…。残念。かな? でも面白かった。

11人の少年

1/13 劇団アートボックス
アートボックス

鷹觜喜洋子さんの御案内で見て参りました。
実はこの作品は、NLTの養成所があった頃原田が演出した作品で、私も初めて演出助手のような仕事をやったものですから、思い入れがありました。
今回ひさしぶりに見て、「ああ、なるほど、こういうことだったのか」と改めて思ったり…。
北村想はやはり面白い作品書くなあ。ばかばかしい中に悲しさがある。いつか若い人たちで出来たら面白いだろうなあ…と思う作品です。