中島町町民劇団旗揚げ公演
「湯田中 まるか楼の女たち」


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作/市川夏江
演出/原田一樹

1998年 11月7日F〜8日@

能登演劇堂

出演 中島町町民劇団
スタッフ 能登演劇堂舞台芸術アカデミー

CAST
ハツ(歌扇)…小林陽子 桃子…大門美智子 お玉…島元孝栄 おばさん…山辺美晴 
安さん…大森繁光 勇…山添賀容子 たつ…赤坂香澄 とり…高橋いずみ 
郵便屋…浜田琢哉 母親・りん…干場孝子 息子・梅…梅田陽子 
桂庵…赤坂利勝 葵・みち・よね…杉原幸子 月見の母…仁介三代子 旦那…酒井藤雄

客演
小勝…瀬田ひろ美 月見…白沢靖子 薬屋…村信保
女将…藤田三保子 宮ふじ…市川夏江 水月の若旦那…福田治 ハツの父…狭間鉄

STAFF
装置・舞台担当
能登俊信・井田啓一・黒川素江・山本剛・橋本一弥・山崎仁・室木行雄・丸山弘子
照明担当
藤田清志・多賀嘉一・篠田敬子・高田由則・萬澤正俊・結城彰子
音響担当
津梅正樹・川向基幸・猿田京子

狭間さんから図面の説明をうける出演者たち

ワークショップ初日から公演の当日まで、
ウォーミングアップは必ず行う。

舞台稽古…緊張はピークに

次の日の朝刊
【上記新聞記事内容】
「中島町民劇団「旗揚げ公演」満場拍手
“遊廓の人情”熱演2時間
 中島町の町民劇団の旗揚げ公演「湯田中まるか楼の女たち」が七日、同町の能登演劇堂で幕を開けた。
 この劇団は昨年暮、同町中央公民館の「町民劇団教室」の受講生を母体に発足。今年三月に一般からキャストを募集し、町民を始め金沢、羽昨、高岡各市などから団員十五人が集まった。
 年齢層は中学生から五十代までで、職業も町役場職員や会社員、農協職員、教員などと多士済々。その後約八ヶ月間、旗揚げ公演に向け、毎月、プロの俳優が駆け付けるのに合わせ、集中稽古を行なってきた。
「湯田中まるか楼の女たち」の舞台は、昭和初期の長野県湯田中の遊廓。この地へ売られてきた十七歳の少女を中心に、親兄弟や愛する男性のために懸命に生きる女性たちの姿を、泣き笑いを交えて描いた人情劇となっている。
 主役の少女「ハツ」を演じるのは、中島高校体育講師の小林陽子さん(25)で、遊廓のだんな役には同校の酒井藤雄教諭(41)が出演。また、おかみ役に藤田三保子さんらが出演するなど七人の俳優がわきを固めた。
 照明や音響などの舞台スタッフも同町の舞台芸術アカデミーのメンバーが担当した。
 開幕した七日は、団員たちがプロの俳優に支えられながら、けなげに生きる女たちの姿を約二時間にわたって熱演し、満員の約六百五十人の観客から盛んな拍手を受けた。

アンケートより
・感動です。演劇は生活の表現です。続けて下さい。また来ます(鎌倉市60歳)
・脚本もよく、皆さんの演技も素晴らしかったです。最後の涙で観ました。(鹿西40歳女性)
・声が聞こえずらいのが残念!
・客席の雰囲気がとても良い。一人一人の個性が光っていた。(鎌倉市50歳)
・みなさん頑張っていらっしゃいました。次回は現代劇でもいいのでは。いろいろチャレンジしてください。(鹿島40歳女性)
・プロの役者さんと町民劇団のバランスがとてもよくとれておもしろかった。(金沢30歳)
・演劇はよく観るのですが他の劇団にひけをとらない内容・演技でした。とても旗揚げ公演とは思えません。よく練習されたと思います。正直いって観るまであまり期待していなかったのですが、これから是非毎年続けてほしいと思いました。穴水から観に来ます。(穴水20歳女性)
・場面のつなぎ方がとても好き、後方の「りんごの木」がとても良かった。ラストの写真の場面がとても美しかった。(羽昨20歳女性)
・これからも回数を重ねる毎に上達されることでしょう。(志雄40歳)
・一人一人が自分の役を責任をもって上手にしていたところに感動した。(中島40歳)
・すばらしい。素人の人が入っているって全然感じませんでした。ますます頑張って演じてください。(河北郡50歳女性)

中島町民劇団に参加して    赤坂香澄(中学1年)[中島町民劇団]
私が、中島町民劇団に参加するきっかけとなったのはお芝居を観ることや演じることが大好きで、以前から演劇を教えてくれる教室はないかなあと思っていたからです。初期の町民劇団は、パントマイム、発声、色々な台本読みをして楽しかったです。最初、子供での参加は私一人で淋しかったのですが、友達の山添賀容子ちゃんが参加するようになってからは、だんだん練習に来るのが楽しみになってきました。              
 今年の2月頃の町民劇団では、プロの人達が来ました。
 そして4月頃に、町民劇団公演が決定しました。題は「湯田中まるか楼の女たち」です。ここから本格的に台本を集中して読み合わせすることになりました。               
 こうして町民劇団の人達とプロの人達とで「まるか楼」を読んでいく間に、色々な人が町民劇団に立ち寄っていきました。でも、1回や2回ぐらい参加してそれで終わってしまった人が多かったのはとても残念に思いました。  
 6月、町民劇団に来るメンバーが決まってきた頃、配役発表が行なわれました。私は楽しみでした。この場にいる劇団員の人達が、どんな役になるのかが気になるのです。でも自分には役は当たらないと思っていました。どんな役でもいいからやってみたいという気持ちはあったけど、子供だし、難しい台本だし……。ところが、プロの演出家の原田さんに「たつ」という子供役をするように指名されたのです。まさか……とも思ったけれど、がんばろうという気持ちもわいてきました。その日から、家では「たつ」のセリフばかりを練習していました。がんばって「たつ」を演じようと、はりきっていました。    
 夏からは立ち稽古に力が入ってくるようになり演出家の原田さんの熱血指導で、毎回セリフや動きが変わったり注意されたりしました。プロのキャストの人達は稽古に入ってから少し厳しくなって、本番に近付き、舞台装置、照明、音響の人達もそろってきた頃はますます厳しく、そして熱心になりました。そんな時、プロの人はやっぱりすごいなあ、稽古に集中している、と思いました。町民劇団の人達もみんな必死で練習を積み重ねてゆきだんだん上手になっていってるように感じました。              さあ、もう本番です。立ち見の人が出るほどの大人数の人が下手から見えます。今までちゃんとやってきたのに不安になってしまいました。でもキャストの人に励まされて少し元気になりました。プロの人は練習の時にはピリピリしてたけど、本番直前はいつもよりとても優しくなっていることに気付いて何だかホッとしました。
 そして、1日目は成功! さぁ、次は最終日です。最終日も順調に進んで、もうラストのシーンだというときに、私は泣いてしまっていました。もう終わりなんだ、1年間、こんなにがんばってきたんだなぁと感じて、涙が出たのです。いろんなことがありました。演技がうまくできなかったり、迷惑かけたりして、何度も悩みました。でも、こうして出来上がった作品を、こんなにたくさんの人が観に来て下さって…。カーテンコールのときの、あの温かい拍手。忘れることはできません。この『まるか楼』は、一生の宝物になりました。
 来年の町民劇団はどうなるのでしょう。今からすごく楽しみです。また「まるか楼」のような感動を味わいたいです。そして、また宝物を一つ増やしたいです。       
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