市民交流活動

キンダースペースワークショップ 地域での活動・ワークショップ

 キンダースペースでは、「ワークショップ」を通して、地域市民との「演劇」を通じた交流を続けています。
 ワークショップは、演劇の基礎を通じた出会いの場です。
 この出会いは、他人との出会いであり、自分との出会いであり、その二つの作る関係の発見と、そこに眠る想像力の解き放ちです。

 残念ながら、わが国には音楽や美術のような演劇の初等教育というものはなく、欧米などでは学校で行なわれるこれらの時間を経験することはありません。キンダースペースで行なうワークショップは、「人間」を見つめ、自分を知り、他人を知り、その関係の中に生まれる、様々な変化に感性の目を向けるという、いわば演劇のための教育ではなく、演劇による教育です。これは私たちの想像力を刺激し、私たちが普段見逃している、人と人との交流の意味について気づかせてくれます。

 また鑑賞する、見方・聞き方を学ぶということも、確かに文化を享受する一つの方法ですが、参加する、ともに表現を作り上げるという形でこれが出来るのも、演劇ワークショッブの大きな特色です。

 そして、これは同時に、舞台における演劇表現の「基盤」ともなるべきものです。

 私たちのワークショップは、私たちの演劇の独自の方法を伝えるものではなく、演劇というものを追求していくなかに普遍的に存在する、人の心を開放し、感性を豊かにしていく働きを取り出したものです。その意味で、優秀な演技者や演劇エリートを生み出すものではありませんが、魅力的な俳優は、ほぼ間違いなく、魅力的な人間です。

 私たちはこれまでの経験で、ワークショップや地域始動型の公演に向けての稽古を重ねていくにしたがって、参加者の眼が輝きを増し、そこで行なわれていることの一瞬も見逃すまいと、同化してくる段階を知っています。そして私たち自身も、このワークショップの中に、私たちの演劇の未来があると信じています。

 またそのためのワークシッョプ指導を行なえる人材の育成も平行して進めております。