初めての「観艦式」体験

 観艦式とは…。

 我が国では、明治元年3月、明治天皇をお迎えして大阪・天保山沖で実施された「観兵式」が観艦式の始まり。
 海上自衛隊になってからは、昭和31年に自衛隊記念日が制定され、翌32年から自衛隊記念日行事の一環として観艦式を実施することが定められました。

 最近では3年に一度のペースで行なわるこの行事は、最終日に時の総理大臣を乗せて行なうのが本番で、私が行ったのは、前々日その本番通りに行なう、「平成15年10月24日(金)観艦式予行」というものでありました。

・自衛隊の実力を内外に示す。
・国民の自衛隊に対する理解と信頼及び海上防衛についての理解を深める。
・隊員の士気高揚及び部隊練度の向上を図ることを目的としているそうです。

 でも、何よりも高揚してしまったのは私でありました。

 私達、縄文一派が乗る護衛艦「はるゆき」(基準排水量2,950t、全長130m、最大幅13,6m)は、観閲付属部隊第1群に属し、「いそゆき」「さわゆき」と共に東神奈川の米軍基地内、瑞穂埠頭から出発しました。

 この観艦式には、船が54隻、飛行機も同数参加し、その隊員数はなんと8,500人!
「横須賀」、青森は「大湊」、広島の「呉」、そして「佐世保」からも来ているそうです。

 まずは後ろの甲板に出てみました。早くに乗り込んだつもりでしたが、すでにもう人が一杯!! 毛布を奪い合うようにしてみんな甲板に座り込みます。
 まだ暖かい港から船が出向すると、とたんに海風が冷たく感じ、けさくは持ってきた衣服を着込み、着膨れ女になりました。

今出発したぜえ! と母に報告するけさく。
日章旗がかっこええなあ。

 船が出る瑞穂埠頭から、観艦式が執り行われる相模湾沖まで、約4時間かかります。その間、「はるゆき」の中では様々な船内展示が行なわれました。

 まずは「はるゆき」の一番先頭にある「76mm速射砲」を動かしてみせてくれました(もちろん撃たないよ)。
 62口径で、一分間に80発、最大射程距離16キロ。対空目標水上艦艇攻撃。。。
 ……なんだかわからないけど、すごい早さで筒先が動くのです。
 鉄ではなく特殊樹脂で出来ているから軽いのだそうです。でも、威力はすごいらしい。

これが、ええと…
  「76mm速射砲」
…で、そのミサイル…

 それからその後ろにあるのが、遠距離の潜水艦攻撃用ロケット「アスロック」。これもすごい早さで標的に向かって動きました。

 船の一番後ろには、対空ミサイル………、その他に対艦ミサイル、対潜魚雷、……とまあ、ものものしい設備なのであります。

 しかし、そんな設備を見ながらも、のどかにお昼を食べたり、縄さんは船用の笛の吹き方を艦内で一番上手い人に教えてもらったりして、私はウトウトしたりして、優雅に目的地に着いたのでありました。

風が冷たくてフードをかぶっていたら、いつの間にか寝た…。

 やがて私たちの乗っている観閲部隊の13隻の船は二列に並んで、西向きに針路を取り、時速約22kmで航行、式場である相模湾沖に到着。
 すると、受閲艦艇部隊、受閲航空部隊によるデモンストレーション…つまり「観艦式」がいよいよ始まりました。

 まずは第一群から第五群までの艦艇部隊が、二列に並んだ私達の船の間を東向きに走って行きます。
 空には何機もの航空部隊も!!

 それはもう圧巻。ただ船が行き来するだけのことでこれだけ威圧されるものなのか?
 私は航空部隊の飛行にも心惹かれてしまいました。

 そして伊豆半島に近付いてからUターン、また二列に並んだ船の向こう側で、各船の訓練展示が始まりました。

・5インチ祝砲、ボフォース発射
・HS発艦
・潜水艦 潜行浮上
・護衛艦 洋上給油・甲板散水・IRフレア発射
・ミサイル艇 航走
・LCAC 航走
・US−1 離着水
・P−3C爆弾投下
・IRフレア発射

 …………すごいでしょ? 
 特にすごかったのは、縄文人さんも掲示板に書いてらっしゃいましたが、潜水艦の潜行浮上。
 沈んで行く時はゆっくりと底からじょじょに海に消えていくのですが(これは映画とかでも見たことある)、圧巻なのは出てくる時、シンクロナイズドスイミングの「飛び出し」のように、頭から斜めにズボッと出てくるのです。結構なスピード、結構な迫力。いつか船が潜水艦に乗り上げてしまった事故があったけど、この迫力ではひとたまりも無いな…という感じでした。

 約2時間の観艦式の間中、「おお〜」とか「うわ〜」とかの声しか聞こえない。カメラやビデオで追っている人たちは、結局あんまりきちんと見てないのじゃないかしら? だって、いつ弾が出るか、どこから火花が出るか? わからないから、ファインダーを覗いたまんま(笑)

 私たちはしっかりとこの両目に焼きつけて帰ってまいりました。
 帰りは向い風にも関わらず、行きの倍のスピードで半分の時間で帰ってきてしまいました。隊員さんたちも早く港に帰りたかったのかな?? 若い可愛い隊員さんがたくさん乗っていた。まだまだ学生みたいな子もいたっけ…。

 あ、そうそう、帰途、船上では艦内でのラッパでの合図の仕方(起床・消灯とか、帰港の合図など)の演奏や、手旗信号なども見せてくれましたよ。

 貴重な体験を御一緒させていただいた縄文人さん、同行の皆さんに感謝しております。
 縄さんの言う通り、「この軍備が戦争の抑止力として機能し」ますよう心から祈ります。

向こうに見えるのは「いそゆき」
こうして見ると軍艦て細い!
帰港後、隊員たちはあわただしく船の作業に追われる。 「はるゆき」をバックに

記念写真

おまけ!!

   

天気が良くて夕日もきれいでした!!
 お土産に買ってきました。東郷平八郎は週末をカレーの日にしたらしい。
 船上で曜日の感覚を忘れないように…てさ。

 左は「トリビアの泉」で62へえ〜を取った「幻の撃まん」自衛隊饅頭「撃」だす!!
 味は普通でしたが包み紙に戦闘機や戦車や軍艦が描いてあります。