思えば、香奈ちゃんのお芝居で初めて御会いした時に「船を持っているんですよ」とおっしゃった縄文人さん。
　今まで生きてきてウン十年、「船を持っている人」なんてお会いしたこともなかった。「ぜし一度劇団のみんなで乗りに来てくださいよ」と言って下さったが、こんなに早く実現するなんて!!!

　今回はけさくと原田と元香がくじ引きで勝って(ウソ)乗せてもらいました(*^◯^*)。船のド・シロウトは三人以上いると邪魔!!　てなワケで、ごめんなさいねえ、他の劇団員のみんな〜〜〜!!!

　4月某日、当日はとってもとっても早〜〜い電車に集合。いつもは遅刻ぎりぎりのけさくも元香も、【遊び】となれば早起きできます!　蓮台寺の駅で縄文人さんが待っててくれる!
　朝もハヨからビールを飲みつつ、うつらうつらしていると、車窓にポツリと細かい雨が!!　え〜〜〜!! 　船に乗れな〜〜い!!
「だれだ!!　心掛けの悪いヤツは!!」と口には出さねどお互いの顔を眺めつつ、蓮台寺の駅に着くと、縄文人さんが少しこわばった顔をして待っていてくれた。あとで聞いたら「雨で船に乗れなかったらどうしよ〜〜」とかなり不安に思っていたらしい…。
　とりあえず、港に向かいましょう!!　ということで、安良里港に縄文人さんの車で向かう。

　途中、大沢温泉の近くの松崎町で【ワイルドフラワー】という花畑を案内してくれる。田んぼの農閑期を利用して9種類の花の種を蒔いてある。田んぼ約６５，０００平方メートルに、ノースポール、姫金魚草、るりからくさ、ツマシロヒナギク、矢車草、アフリカキンセンカ、ひなげし、アリッサム、千鳥草の混合 などの花が一面に!!!　小さな花ばかりなので、本当にお伽話の世界!!　可愛くて可愛くて!!　「か〜わ〜い〜い〜〜」を連発していたけさく。

田んぼの時期の前には、お花摘みの日もあるらしい…。ホントにきれいでかれんで可愛いよ!!

　車を再び走らせて、松崎の有名な「桜葉餅」屋さんに入ってお茶と桜葉餅をいただく。桜の葉の香りがほんのりと上品で絶品!!

　途中昼食を仕入れて、安良里港へ到着。一緒に乗ってくれる、「オレステス」を泊まり掛けで観に来てくださった西伊豆にお住まいのUさん夫妻と、隣のお船のオーナーOさんは、もう港で待っていてくれました。

　小さなボートに乗って、いよいよ縄文人さんの28才の愛人「ARPEGE」との御対面!!　ここ何回か色々な船に乗せていただいていたのだけど、その度に小さな声で「でも、ARPEGEの方がきれいだよ」とか「でもARPEGEの方が素敵だよ」とか囁かれてきた私。そのキモチが判りました。ボディがスマートで、周りを品のいいオ−ク材が囲っていて、ヒップがキュッと上がってて(これは縄文人さんのセリフ)、本当に洒落た、きれいな、そして賢そうな船!!　大人しそうな顔して、シケには強い!!　そうです。
　「よろしくね」と声をかけながら乗船しました。

　縄文人さんが前日からきちんと用意をしてくれていたので、乗るが早いかすぐに発進!!　船のベテランが4人も居て、心強い限りの船出。その4人の中に、かなり善行を施している人がいるらしく、なにやらうっすらと陽が射してきたから感激!!　西に西に向かって走り出しました。
　ほんの少し行ったら、もうエンジンを止めて、帆だけで進む。風が吹いているからそのスピードの心地よい早さ!!
　目に入るカモメが群がる大きな漁船!!　たくさんの船、船、船。
　でも広い海の上ではARPEGEがただひとり、そこにポツンといるような、【世界】を感じる。景色もすばらしい。

　Uターンして、田子の【縄文人さんお気に入りの入り江】に向かう。プライベートビーチにアンカリングしてそこでお昼にしようという計画。
　ところが!!　ここでアクシデント!!　スクリューに海草がからまって、ARPEGEが動かなくなってしまった!!　そんなこととは知らず、元香と二人で脳天気に舳先で遊んでたら、なんか後ろの方が騒いでる。ふと見ると、縄文人さんが、今まで見たことないような引き締った顔をして(失礼!!)何やら考えていたと思った次の瞬間、次々と洋服を脱いでいくではないか!!　同乗していたUさんの奥さんは、なるべく見ないようにと気を利かせて舳先の方へ移動して来たが、けさくはポカンと口をあけて見てしまった!!　するするとパンツ一丁になった縄文人さん、太ももにナイフをつけて水中メガネをして、準備体操もせずにドッブ〜〜〜ン!!!　ヒエ〜〜〜!!!　泳げもしないけさくはもう、目を見張って見つめるばかり。舳先へ移動するどころか、近付いていってまじまじと見てしまった(笑)!!
　スクリューに絡まった海草をナイフで取り、「ついでにスクリューについていた貝も掃除してきた!」と縄文人さん。
上がってくると何事も無かったように着替えて、「さあ!!　飯にしよう!!」
　きょえ〜〜〜!!　かっこいいぜオヤジ!!　あたしゃ、旦那の前なのに「かっこいい、かっこいい」を連発しちまったぜ!!　またまた惚れ直してしまいましたm(__)m

　【秘密の入り江】で食べるお昼の美味しいこと!!　Uさん御夫妻は、この入り江が気に入って、東京を離れこちらに家を建ててしまった方達。そのキモチが判ります。毎週末ここに来られたら、もう人生言うことないかもなあ…。

　再び安良里の港を目指す時、舳先に座らせてもらったけさく。極度の怖がりの為最初はフリーズしていたが、その内鼻歌も出てきた。私も海の女になる日も近いかなあ〜〜〜???

舳先に座らされひきつるけさく
Uさんの奥さんと

船につける釣りの道具
モーニンモーニン君の船だよ♪
ひとりタイタニック　恐くてそれどころでないのにやらされて、こわばるけさく。背中にキンチョー。　

　片付けをしてARPEGEに別れを告げ、今夜の宿である大沢里の西伊豆町営【やまびこ荘】へ。ここはもともと小学校!　教室が上手い具合に客間になっていて、広くてくつろげて、いい感じ!!　今夜はここで風呂に入り、食事をして、みんなで宴会です!!
　食事まで時間があったので、近くの桜庭(桜餅の葉っぱ)を栽培している畑に行ってみる。例のごとく誰とでも仲良くなる縄文人、畑で働くおばちゃんにインタビュー開始。「どんなところが一番大変ですか?」なんて、まるでテレビのレポーターそのものの質問に、おばちゃん素直に明るく答えてくれる。ここの畑の桜庭は新鮮なので塩漬けにしないで使うそうです。8枚を輪ゴムで束ねて60円で出荷!　なんてことまで教えてくれて、おばちゃん!　ありがとう!!

　大広間で食事。バイクツアーの御一行様ざっと30人程と、4人家族がひと組、そして正体不明の「お父さん一人、お母さん二人、子供たくさん」の一行!!(これについては色々と審議がかもされた。どっかの宗教かも、とか、夜逃げ?　とか、本当にそういう家族構成なのだ、とか…。結局翌朝見てみたら、お父さんもお母さんも増えていて、…先乗り隊だったのね)

　部屋に戻って宴会。飲む程に酔うほどに、饒舌に明るくにぎやかになっていく私たち。二階ではさっきのバイク軍団が「運動会」と称して、走り回ったり転げ回ったりすごい騒音!　だけどそれもあまり気にならなかった!　意外と私たちの方がうるさかったかも?

　出ました!!　弾く弾くとは聞いていたけんども、一度も聞いたことがない、縄文人さんのウ・ク・レ・レ!!
　出るわ出るわ、マイ楽譜のファイル片手に次から次へと18番を披露していきます。けれど酔っぱらったけさくは「音が違う」とか「リズムがくずれる」とかダメ出し!　すんませんm(__)m
　ウクレレって手軽で楽しい!!　けさくも少し教えてもらいました。縄文人さん、色々言いましたが、「あなたは上手です!!!!」(きっぱり)

　お家が近くのUさん御夫妻はお帰りになって、あとはみんなで雑魚寝!!　なんか修学旅行みたいで楽しかった。でも枕投げをする余力はなく、みんな死んだように眠る。

　翌朝も朝風呂と朝飯と朝ビールと!!　ああ、なんて素敵なオハラショウスケさん!!

　御自分の船の点検に行くとおっしゃるOさんと別れて、「やまびこ荘」を出発!!　
　「わさびの駅」で「わさび漬け作り」を体験できる店に連れていってもらいました。作るのはやはりキンダーのシェフである原田さん。社長さんに拉致されて、奥の厨房に。その間、私たちは社長さんが地下1000メートルから掘り起こしたという美味しい深層水でコーヒーなど入れてもらって優雅に待つ。待つこと30分。奥から満面の笑みを浮かべて出てきたわれらが演出家。社長さんと握手なんかしてる(*^◯^*)　「わ〜さび、わ〜さび、からくなれ〜」という歌を歌いながら作るんだそうです。出来上がったわさび漬けには、ケースの裏の製造のところに自分のサインが出来る。包装も店で売っているものとまったく一緒!!　「一晩寝かしてから食べてね」という社長さんのいいつけを全く無視して、これから行く温泉で早速開けて食べちゃう私たち!

イミはありません。帰宅後「わさび漬け」にされた猫のけさく。

　次に向かうのは西天城牧場。風がむちゃくちゃ強い!!(写真見てもらえばわかるけんど)　素敵なコテージがあって絶景!!(写真ではイマイチわからないかもしれないけど)　夏に合宿でもしたら本当にいいんじゃないか…と思うところ。そこで美味しい牛乳を飲みました。

　仁科峠を、まったく前が見えなくなるほどの霧の中走り、修善寺へ向かう。五里霧中とはこのことかい!!　でも縄文人さん運転上手い!!　ここで「石松」という「ミニ不思議の町」のようなラーメン屋に。いつもは行列だというこの店。ラッキーなことにすぐに入れた!!　店内はおそらく店長さんが集めたと思しきLPレコードが壁中に陳列され、あとは面白いグッズが店中に!!　車まで一台店の中に居た!!　「不思議の町一丁目」の社長さんとおそらく趣味が合う方でしょう。ラーメンもすごく種類が多くて美味しかったっす。

　ここから縄文人さん御用達の「スパラシオン」という温泉に!!　縄文人さんを西川口の「ゆの郷」にお連れした時あまり感激してくださらなかったイミが判った。ここは面白い!　素晴らしオン!!　露天風呂が一杯で、雨の中入ってもキモチいい「雨降り用」のお風呂も有るし、ジャグジーもあるし、「ウォーキング用」の水が流れる温泉もある。この水の流れに逆らって歩くと結構いい運動になる。水は立つと太ももの辺までしか無いので、少し中腰になって、一番気になるお腹の部分を引き締めようとすると、能の歩き方の様になり、自然両手が腿の上に行く。お能歩きでくるくると7周は廻ったでしょうか?　ヘロヘロになりました(*^◯^*)

　休憩室でゆっくりと寝て、また飲んで、シェフ手作りできたての「わさび漬け」を食べて(シェフは「店のより旨い」と御満悦。辛さはシェフの方が少し控えめでした…)、ああ、オハラショウスケも怒るであろう、この素晴らしい行程。

　ひとえに全部お膳立てしてくれて、盛り上げてくれて、運転手を買って出てくれた縄文人さんのお陰です。有難くて有難くて、縄文方面に足を向けて寝られません!!　本当〜〜〜っに!!　有り難うございました!!!

　小田原まで車で送っていただき、縄文人さんと別れてすぐ電車に乗るのがなんかちょっと寂しかった私たち三人。小田原の駅前の天ぷら屋さんで、またまた盛り上がってしゃべくりまくってしまった!!　ああ〜〜、劇団員には半分内緒の週末。これでバレてしまったねん!!!