2013年8月11日(日) 8月13日(火)上演時写真
   
2013年 上演時にいただいた感想です。

自分が幼いころ、駅の片隅に「 傷痍軍人」が居たことを思い出しました。
私はこれ迄も演劇を通して戦争の苦しみなどを体感して来たように思います 。
どこまで史実に合っていたのかは不明ですが、それぞれに心に響く、伝わるものがありました。
そんな中での今回の公演は久しぶりにモノドラマの真髄を見せて貰ったように思いました。
何の飾りも、照明もなく、僅かの効果音のみの構成。
瀬田さんの話だけで十分お客様に伝わる距離・空間。
心に刻みこまれた有意義な時間でした。

■満州からの引揚げのお話。小道具は椅子3脚とリュック、音響効果はあれど照明は蛍光灯つけっぱなし、そして役者1人。
もちろん演劇用の脚本などはなく、体験者の手記を立体的に起こして演じる。
30分間、予期せぬソ連軍の侵攻から幼子3人を連れて逃げる母の苦しみと、当時の周囲の人々の状況が目の前に浮かびました。

貴重な体験者である語り部、それを見事に演じきっておられた。
蛍光灯の下で、かろうじて用意されたのは最小限のS.Eと三脚の椅子、そして、リュック。
にもかかわらず、朗読会とは違う魅力説得力があったのは瀬田さんの演出力演技力。
舞台演出には縁が無かった身として、モノドラマへの興味が優先していたのですが、
なにしろ、お話に引き込まれ、その壮絶な体験に涙がこぼれそうでした。

異国の地に希望をみつけ 出かけたはずが 戦争によってソ連兵が襲ってくる・・・
幼き子をかかえて 逃げ惑う 母親の姿に 胸が痛みました
その母親役を 劇団キンダースペースの女優瀬田ひろ美さんが 熱演し観る者の心をゆさぶり 心を打ちます
私も子を持つ母です
子育ては大変ですが こどもを育てることのできる時代に感謝して生きていきたいと思いました
他の方にも ぜひ 観ていただきたいです 若い人にもぜひ 戦争の悲惨さを知ってもらいたいです
今回 若い方もけっこう 来ていて 戦争のことを 知ってもらえて いい機会だと思いました

たった椅子3脚とリュックだけで、その当時の状況が目に浮かびました。
効果音も、とても良い感じで入ってて、完璧なモノドラマだったと思います。
どなたが脚本、演出かしら?と思ってましたが、瀬田さんが全て考えたと聞いてびっくり。期待通り、十分に感動を頂きました。

感動いたしました!苗村氏への救いを求めて思わず涙ぐみました。白色蛍光灯の下、前説明からいきなり振られ始まるという状況にもかかわらず一瞬にして空間が世界が戦時へ変わる! 握った手は汗だくでありました。

子持ちには辛い‥‥お話でした。涙腺が‥‥(笑)
芝居をやるにはあまりにも過酷な条件下で、子どもを含めたお客さん全員が最後まで魅入っておりました。
集中を切らせない台本、アイデア、芝居力、感服いたしました。
とても面白かったです!

モノドラマ、とっても良かったです。
感傷が前面に出てくるのではなく、ただ生きようと立ち向かう苗村さんの、戦争体験者の姿がそこに見えて。あとはどう感じるかはそれぞれの胸の中に委ねてもらえたことで、より強い説得力を持って伝わってきたように感じました。
私はこういう「想像させてもらえる」演劇がすごく好きです。もっともっとたくさんの人に見てもらいたい。蛍光灯の会場で、えっ、ここで演じるの?と驚きましたが。なんの。目が勝手にぎゅーっと演じ手に、命の果てたわが子に、カメラのレンズを絞るように、フォーカスされていくんですね。もちろん明りの演出された会場で、よりドラマが際立つのは承知の上ですが。
この環境でこれだけの観客の集中を集めていたことへの驚きがありました。
戦争のこと、生きていくこと。いろいろ、自分の意識を明確にしていくことができとてもいい時間でした

主人公が明るく逞しく前向きに語るからこそ、共にその恐怖や悲しみを体験しているような感覚になりました。
満州から引き揚げた主人公の体験は、私にとっても他人事とは思えません。
私の母は大連の生まれで、祖母は満州から母を連れて引き揚げた一人です。
後一歩引き揚げが遅かったら、祖母は主人公のような苦労をしたり、母が残留孤児になった可能性もありました。
祖父はロシアで捕虜になり木こりをさせられました。
祖母はもう当時の事は思い出したくないかもしれませんが、元気なうちに詳しい体験を聞いておかなければならないと思いました。

紛れも無く事実。
忘れてはいけない歴史。
どうにも救いなど無く、ただただ「忘れてはいけない、知らなければならない」と心に刻みました。
私達は、その時代を生きたわけでも、語り部でも無い。演劇人である。
私達に何が出来るのか。何をしなければならないのか。
深く学び、知識を持ち、感覚を研ぎ澄ます努力を続け
その上で、与えられた、そして出会うことの出来た役を、精一杯に生き抜くこと。
嘘を見極められる感性を磨き続けたい。
自分自身の身体と、心を持って。
こうして考えることが出来たのも、素敵な巡り合わせだと感謝します。
それは、力強くて、優しい モノドラマ でした
たった30分ほどの中で、
人間の強さ・弱さ・親子の絆・戦争の凄惨さ
いろいろと凝縮されており、
非常に昂ぶった精神状態で拝見しました
そこは、いわゆるステージではなく蛍光灯の白い明かりの下で
想像力をかきたててくれる3脚の椅子と
非常に苦労したであろう・・・? 洗練されたチョイスのSEのみがある
どこででも出来る演劇はこういう形で創れるのだなぁ
こういうの、いろいろと出来るといいなぁぁぁ〜