レパートリーシアターVol.13 【フェアリーテールシアター】


キンダースペースは、2001年より
キンダースペースレパートリーシアターの一貫として、
フェアリーテール・シアターをスタートさせます。  
 フェアリーテール・シアターとは、
だれもがその筋や、登場人物や、エピソードの一端を知っているお伽話を題材とし、
現代の我々の人間関係や、社会との関わり、
小さな事件などに移し替え、
キンダースペースの客席数50のアトリエ空間で演劇として上演しようという試みです。 

作/棚田浩章 (素パンク団)
 構成・演出/原田一樹

 

2001年 10月25日(木)〜11月4日(日) 
【29日 休演】

西川口キンダースペースアトリエ 
&栫@ 048(255)4342

前売券 3000円
当日券 3300円
ペア券 5000円
養成所割引 2500円
学生割引 15
00円 
                  

舞台写真

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STAFF


美術/小野寺綾乃
照明/森田三郎
音響/熊野大輔(withFriends)
小道具/高津映画装飾M
 宣伝美術/桜井史人

CAST


小林元香 仲上満 橋本亜由子
(キンダースペース)

客演
花ヶ前浩一
内田尋子
両角剛志
(スターダス・21)
松井茜
(スターダス・21)
小林三紀恵

上演にあたって演出 原田一樹

【作品解説】

 キンダースペースは、2001年よりキンダースペースレパートリーシアターの一貫として、フェアリーテール・シアターをスタートさせます。         
 フェアリーテール・シアターとは、だれもがその筋や、登場人物や、エピソードの一端を知っているお伽話を題材とし、現代の我々の人間関係や、社会との関わり、小さな事件などに移し替え、キンダースペースの客席数50のアトリエ空間で演劇として上演しようという試みです。               
 一本の長さは30分から40分、一回の上演で三本を構成し、一作品とする予定です。                                    
 第一回目の今回は、お伽草子より「カチカチ山」と、中国故事より「牽牛と織姫」を、現代の中高年の男性と十代の女子高生の恋物語、遠距離恋愛の二人の若者の話、に置き換え、それをヘルマン・ヘッセの「アウグスツス」という作品で包みます。 
 
 「アウグスツス」は母の願いによって、神から‘誰からも愛される’という資質を付与されてしまった一人の男の子の成長にまつわる不幸と幸福についての寓話で、つまり、この三本はいずれも愛とコミュニケーションについてのドラマです。    
 キンダースペースがこの企画を立てた目的は、一つには、だれもが知っているお伽話を題材とすることで小学生や中学生も観客対象とし、彼らにも小さなスペースでの演劇というものに触れ、身近なものとして感じてもらうということ。       
 もう一つは、大人や一般の観客に、だれもが知っているストーリーが戯曲になり、演出と俳優によって、一つの芝居として成立する過程も楽しめる、ということを知ってもらうことです。                             
 わたしたちが、作家と演出を中心にして、一つのお話から様々に想像し、新たな意味と展開を見付けだし、舞台化したその動きにそって、観客も一つの物語から想像の羽をのばすことを刺激されるはずなのです。                  
 これはきっと演劇という表現でだけ味わえる経験であり、また、小劇場と言う身近な表現空間だからこそ効果的である観劇体験であると考えます。         
 「物語り」は、人間が生み出したものです。                 
 人と自然の葛藤や、人の力ではどうしようもないもの、不可解な現象や、こころざしと現実のギャップ、一瞬の先も見えない不安や、幸福と不幸の入れ代わり、わたしたちのまわりの言い知れない不条理、それでも止むことのない希望と祈り、等が「物語り」を生んできました。               それゆえ、「物語り」は無限にわたしたちのまわりにあります。        

 演劇を通じて、「物語り」と出会う。                    
 フェアリーテール・シアターでは、わたしたちは演劇をそのように考えているのです。


 
【アウグスツスあらすじ】原作:ヘルマン・ヘッセ

 貧しい母は、生まれてきた愛する息子の為、自分の知っている一番良い事を神様に願いました。
「みんなが、おまえを愛さずにはいられないように」。       
 そのたった1つの願いはかなえられ、アウグスツスは誰からも愛される美しい少年に育ちます。しかし、誰からも愛され、全てがたやすく思い通りになってしまう彼はそれゆえ誰も愛する事のできない、冷淡な心の少年になってしまいます。彼の心は、成長にともなって、絶望と空虚で、ますますすさんでいきました。        
 道義や誠実というものを憎み、人を裏切り堕落させ、その様子をあざけったり軽蔑したりする事だけが喜びとなったアウグスツス青年。それでも彼を慕い集まりくる人々に、彼は自殺し、彼自身の死体を見せつけてやる事を思いつきます。      
 彼が毒を飲もうとしたまさにその時、彼の名付け親であり、かつて母のたった一つの願いをかなえた
ビンスワンゲル老人があらわれます。「何かの願いをもうひとつ、君のためにかなえてあげるとしたら?」
「ぼくが人々を愛することのできるようにしてください」
 誰からも愛される代わりに、誰をも愛せなかったアウグスツス。
 誰からも疎まれる代わりに、全ての人に愛を感じることが出来るようになったアウグスツス。

 ささやかでも人々の役に立つことに喜びを感じ、乞食のように世界をさまよった老人アウグスツスが、最期に行き着いたところは…… 

         


 アンケートより
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