レパートリーシアターVol.24
短編演劇アンソロジー 六〈近代作家シリーズ〉 芥川龍之介篇 その二
【架空線の火花】
羅生門 地獄變 或阿呆の一生 より
芥川龍之介はその短い生涯の終わりに多数の自伝的作品を残している。数においても方法の多彩さにおいても群を抜くそれらの短編は、いわゆる私小説とも自叙伝とも異なって、読者に或る神経的なイメージを喚起して迫ってくる。それはつまり、この作家にとって晩年の創作が、様々な作風をジグザグに進んだ作家の最期の足跡などではなく、創作に捧げつくした自身の神経の有り様、正に一本の道を進んでいった大詰めの、命を賭けた一瞬の火花だったということである。したがって私たちは、彼の作品を分類し見つめるのを止め、その神経でしか掴まえ得なかった人生の一瞬を並べ見ようと考えた。そこから浮かび上がるものは、繊細で才能に溢れ、神経も心も兼ね備えた一人の芸術家の姿。その筈である。
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構成・脚本・演出/原田一樹
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好評の短編演劇アンソロジーシリーズ第6弾! 「羅生門」「或阿呆の一生」「薮の中」「疑惑」「春の夜」「尾生の信」「竜」などの作品を取り上げ、作家論、芸術論にまで迫りたいと考えています。 劇団キンダースペース 制作部 |