【感想】

・初日拝見しました。化学調味料でどんな味でも作り出せる現代において、鰹節と昆布で取った一番ダシのコクと香り、なによりも透明感を味合わせてくれる芝居。ホンモノを知らず「のようなもの」で慣らされている現代人に思い出して欲しい、思い出せない人には知って欲しい小泉八雲の世界。ラフカディオ・ハーンが日本人として伝えたかったものとは・・・。初日は多少空席もありましたが、面白いので口コミで評判になってくる(^・^)
話しはガラリと変って。初日の居酒屋で目の前に座った演出が「役者はニュートラルになれなければならない」とおっしゃった。なるほど深いなあ・・・。そのことを帰りの電車でつらつら考える、役者のニュートラルというのは何もしないということではなく、心の中ではエンジンのように吸入・圧縮・爆発・排気を繰り返し、ギアはニュートラルということではないのかと。エンジンの動いていないニュートラルなんて、クリープの入っていない・・・(*'ω'*)。
〈紺野相龍様〉



・アンチゴーヌの美術打ち合わせの後、キンダースペースの転生の夢の初日観劇。 衝撃的に面白かった。段違いに。凄まじく。途轍もなく。 これは観ておくべき芝居だと思う。
〈小林直幹様〉



・満月が西に沈む朝を迎えました。昨日は腰痛から始まりましたが、今朝は爽やかに起床できました。昨夜は、奇跡的に腰痛が軽減したので、予約していた劇団キンダースペースの、第39回公演「転生の夢」を、両国シアターΧ劇場で観てきました。この題名は山本洋三先生が「轉生の夢」と素晴らしい墨字で書かれていて、入口近くに置いてあり、いきなりくらくらとパワーを頂いた感じになりました。
内容は、ラフカディオ・バーン=小泉八雲が書いた代表作から、4つの怪談話を選出し、妻セツの思いでの語りから、ハーンの描く日本の民族観、人生観、死生観、宗教観までもが想像できるような、ハーンの面影がしっかりとわかるように構成されていました。原田一樹先生の脚本、舞台演出、音響など、随所に芸術的なセンスがひかり、見応えのある質の高い公演で、友人一同感動しました。まさに、キンダースペースここにあり!と、ファンとしては多いに自慢したいです。最後に妻セツがハーンを看取る場面の背景で、静に繰り広げられる、風の盆に似た盆踊りの場面では、私は興奮して鳥肌が立ちました。ハーンが西洋人から、実は全く抜け出してはいなかった? からこそ、あのように書けた物語だったのか、あまり知らなかったけど、ハーンの気持ちやセツの想いがわかる気がした…。私も昔、異国に永住しようと真面目に考え、北欧に数ヵ月住んだ時、あちらの昔話や風習的な事に興味を持ったけど、ちょこっと怖い思い出も経験したからだろうか…。何れにしても、完全に腰痛を忘れて、転生の夢の世界観に浸ってしまったのであります。CASTも皆さん適役で、素晴らしかった。とにかく、沢山の方にもみてほしい。
〈山名敏子様〉



・だんだんと春の花が咲き出して、気分が上向いてきた。
久しぶりの演劇。劇団「キンダースペース」の公演「転生の夢〜ラフカディオ・ハーンの面影〜」を見てきたのだけど、異世界に引き込まれて、とても面白かった。立体的な舞台仕立ての中で、ハーンと妻セツとのやりとりと、ハーンの物語世界との重層な展開。物語世界にハマるのと同時に、ハーンの愛する日本と海外、日本の昔と今、そして人の想いなど、いろいろな問いかけが頭の中をぐるぐるしていった。話の内容は置いといて、舞台ってVRだよね、とふと思ったりして。「写真は答え、アートは問いだ」なんて言葉をどこかで聞いた記憶があって、今のVRが現実世界をよりリアルに作ることに精を出してるとすれば、答えばかり追求してるのであって、VR世界の中に、問いを見せられるようになったら、すごいものになるんじゃないかな?なんて考えたりする。
〈きよひろしんじ様〉



・原田一樹の魔法にかかってしまった。劇団キンダースペース第39回公演「転生の夢」でのことである。?客席に入ると舞台には六本の丸棒が長さも位置もバラバラに宙にある。床はいくつもの段差で覆われ背景の幕は前後バラバラに切れて配置されている。右手には位牌、左手には書斎の机ーーもうこれだけで頭が混んがってくる。劇はいきなり、英語から始まりラフカデォ ハ-ンの役者は怪しげな日本語で話すしで、怪談が始まるし、これでもかと魔法が連発される。劇が進むに連れて、この魔法が必要なのが解ってくる。実際に見える世界より、見えない世界を怪談や民間信仰に寄り添い、人の在りようを問うためなのだ。魔法はラストシーンで圧巻になる。ハーンの死の傍らで、彼の夢を私達も見ることができるのだから。それも人への優しさと生きる信頼という原田一樹さんの魔法を伴って。
〈小山内秀夫様〉



・劇団キンダースペース、転生の夢〜ラフカディオ・ハーンの面影〜。日本人となった西洋人小泉八雲の作品と日常を通し、日本の原風景を映す。大きなクライマックスはないが、しっかりと立体的に描かれる群像劇。老舗劇団の手並み。客演、劇団員の特性を活かした差配の面白さ。浮世にも学ぶことは多し。
〈真田真様〉



・劇場に入ると、舞台の暗闇に宙から白い棒が何本も浮かび上がってる。ワクワク感が広がる。
小泉八雲の作品を織り混ぜながら、八雲の生涯を描く。その構成、演出はさすが。
八雲が愛した日本。
我々は日本を失わずに生きているだろうか?
怪談の中に八雲が見いだした日本とは、なんだったんだろうか?
暗闇の中にフワっと浮かび上がる照明、ひんやりした空間にキ〜ンと入る美しい音。
照明、音響とも相まって、怖い、怖い!!
過去の原田演出の舞台「るつぼ」、「遠い記憶」と並ぶゾクっとする怖い作品でした。
座組の中でインフルが流行り、大変だったと思うが、みんなで力を合わせて、いい芝居になってました。
〈栗田かおり様〉



・観てきました!
さすが??の劇団キンダースペース本公演。
面白かった!
小泉八雲の生涯と寄り添いながら
八雲の怪談が何編か舞台上で繰り広げられていく
作家の内面に深く切り込んでいく構成。
怪談の恐怖が八雲の内に潜む不安や焦燥感と不協和音を奏でながら
原風景と奇妙に歪んだ世界の入り混じった異空間に観客を運んでいきます。
昔、小説や絵本で小泉八雲は読んだことがあったけれど
今回の演出では人間がずっと血の通った生臭い人間として描かれていることで
知っているお話もずっとずっと怖く感じた。
時折入る美しすぎる音の効果も、背筋をスーッと冷たく撫でていき、いや増す臨場感。
クライマックス後の暗転では手首から肩までゾワゾワゾワ…と鳥肌が伝って行くのを感じるほど。
役者のみなさんも、
いい熱量の高さで、だけど繊細で、
すごく良かった。
そして例によって、ちゃんと(?)打ち上げに参加して参りました。
すごくいいお芝居を観て、満たされて
ほろ酔いの帰り道は少し暖かくなって春の気配。
こういうのとても良いです。
良きです。(*´-`)
〈松村千絵様〉



・面白かったぁ。
作品に原作者の生涯の一辺を織りまぜる演出はよくありますが
作者の生涯が奇異なだけにすごいオムニバス作品になっていました。
演出家の構成力手腕に脱帽です。
恐怖をじりじりと高めていくあの空気感がすごい。
原田氏の恐怖演出はピカイチと思います。
〈栗田章様〉