方の会 第49回公演
【しんしゃく源氏物語】
末摘花は、美男美女がてんこもりの源氏物語において、たぐいまれな不美人 として登場する姫。
その醜い顔立ちと不器用な振る舞いは光源氏もあきれ るほどでしたが、源氏を慕う心は誰よりも純真で、晩年は源氏の寵愛を受 けました。
この『しんしゃく源氏物語』では、逢瀬の後、待ち続ける足が 遠退いた源氏を、ただただ一途に待ち続ける末摘花の姿が描かれます。
不器用で醜い姫の思慕、その儚さと美しさが際立つなか、そんな姫に翻弄 される侍女たちの様子がユーモラスに展開します。
あらすじ
末摘花の御殿。末摘花は古風な教育を受けた頑固で一途な姫。光源氏を慕う
心は強く、いつ戻ってくるのかもわからない源氏のことばかり思って暮らし
ている。そのせいで世間から見放されてしまった感のあるこの屋敷はボロボ
ロで、食事も質素、没落が目に見えるような有様。そんな生活に耐えかね
て、今日もまた一人、侍女がこの屋敷を逃げ出す。残された侍女たちは気が
気でないが、末摘花は彼女たちを尻目に泰然自若として騒がず、今日も源氏
のことを想っている。源氏は必ずもどってくる、と。一体いつ、本当にもどってくる
のだろうか…。
作/榊原政常
演出/原田一樹
舞台監督/村信保
出演/市川夏江 狭間鉄 高橋なづき 福田治 他