静岡新聞1/15記事より

役者の“卵”舞台芸術に触れ

 SPAC(県舞台芸術センター)は十四日、静岡市駿河区池田の静岡芸術劇場で高校生対象の演劇講座を開いた。県内の高校演劇部に所属する約四十人が、原田一樹氏演出の「しんしゃく源氏物語」の通しげいこを鑑賞し、舞台芸術の奥深さに触れた。

「しんしゃく源氏物語」は高校演劇界の第一人者、故榊原政常氏の代表作。荒れ果てていく屋敷でひたすら光源氏を待つ「末摘花の姫」と、貧窮に耐えられない女官たちが繰り広げる喜劇。

 通し稽古後、原田氏による講義が行われた。原田氏は「この舞台は『待つ』をテーマにした作品。姫の存在を中心に演出する空間を広げていった」と話し、音響や照明による季節感、時間経過の見せ方も解説した。

 生徒たちは実際に舞台上でセットを見学した。静岡城北高校一年の原田麻矢さんは「細かいところまでしっかり作られ、四季の変化を感じました」と話した。

 十六日からは県の中学生文化芸術鑑賞推進事業の一環として、県内の二十中学、総勢三千五百人が「しんしゃく源氏物語」を鑑賞する。